起業の基礎知識

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起業家がビジョンを作るための4ステップ

「渋谷で教える起業先生」(毎日新聞出版)の著者 黒石健太郎です。
起業を考える大学生を対象にビジネススクールを運営しており、
これまで、300人以上の起業を考える大学生が受講しています。

受講生から、
「特段のビジョンがないんですが、そんな僕でも起業家になれますか?」
というご質問を頂くことがあります。
そこで、起業家とビジョンとの関係について、
下記4点をまとめてみました。

1:起業家に、ビジョンが持つ効果とは?
2:起業家に、ビジョンは必要か?
3:起業家に求められるビジョンの必要要件とは?
4:起業家のビジョンの作り方とは?

起業家に、ビジョンが持つ効果とは?

起業家本人、仲間、お客さまなど、
起業に関係する人それぞれにとって前向きな効果があります。

① 起業家本人のモチベーション維持と意思決定基準の明確化

起業するときに、実は一番大変なのは、
起業家本人のモチベーション継続です。
なぜならば、ビジネスプランを考えたり、
アイデアをブレストするのとは異なり、
実際の立ち上げ時は、膨大な愚直な作業が必要になったり、
いろんな人に反対されたりすることを乗り越える必要があるからです。
その時に、「何のためにやっているのか」が明確であれば、
ぶれずに乗り越えることができます。

また、事業を前に進めていく時には、
難しいテーマにぶち当たり、
なかなか意思決定ができない時も出てきます。
その時の意思決定の基準になるのは、
「何のためにやっているのか」。

起業家本人が、自身のモチベーションを維持し、
意思決定基準を明確化できるという効果があります。

②優秀なメンバーの採用と社内活性化

創業当時のベンチャーには、
当然、お金も人も、潤沢にはありません。
それでも、事業をスケールさせていくには、
圧倒的に優秀なメンバーが、
生き生きと働き続けていることが必要です。
その時に、潤沢なお金が提供できない以上、
転職に伴う給与減を乗り越えるだけの、
ビジョンの魅力が必要になります。

③初期ユーザーの獲得難易度の低下

まったく新しい価値を生み出すサービスであればあるほど、
価値が理解されづらいため、
営業難易度が上がります。

ただし、人から共感を呼ぶビジョンあるサービスであれば、
質がいいユーザーが応援してくれます。
寄付的な位置づけで応援してくれる
ユーザーや投資家が集まり、口コミを広げてくれることで、
サービスの立ち上がりが早くなります。

起業家に、ビジョンは必要か?

ここまでビジョンが持つ効果を述べてきたため、
「起業にはビジョンは必須なものだ」と捉えた方も
いるかもしれません。

しかし、結論としては、
「最初は、対外的に説明できるビジョンがあればOK。
 本心から思い込んでいるビジョンは必ずしも必要ではない。
 起業してれば、勝手にビジョンは見えてくるから。」
ということです。

先輩起業家の講演に行かれたりすると、
多くの起業家が語ることがあります。
それは、
「起業なんて方法論だから、
 自分が人生をかけて何を成し遂げたいのか、
 まずはビジョンを明確にしろ」
 ということです。

ただ、気をつける必要があるのは、
それはあくまで「結果的にそう思っていること」
であり、多くの起業家が、
創業当初から崇高なビジョンを掲げていたかというと
ほとんどの場合は、そんなことはありません。

最初は、「お金持ちになりたい」
「サラリーマンにやっていられなくなった」
「有名になりたい」という
そんなレベルの思いで起業し始めた人もたくさんいます。

しかし、起業しているうちに、
「そんなレベルの思いだと、なかなか人が付いてきてくれない」
「辛いことがあったときに、
 『なんのためにやってるんだろう』と思ってしまう」
などと気づき、ビジョンを明確にしていっているのです。

さらに、実際の事業立ち上げを通じて、
お客さまからの感謝の声や、
お客さまが自社サービスを通して本当に喜んでいる瞬間をリアルに見て、
「こんな幸せを一人でも多くの人に広げたい」と、
考えるようになり、心からビジョンを実現したいと思うようになるのです。

すべては、結果論なのです。
なぜかというと、
人の価値観を揺るがすような経験は、
適当にサラリーマン人生を送っているだけでは
なかなか得ることはありません。
そのため、「人生をかけてこれを実現したい」という
思いを持ち始めるような原体験を得ることができないのです。
しかし、起業していると、
結果的に人生がかかっているので、
一つ一つの小さな成功に感謝や感動の気持ちが湧きやすくなる。
結果、価値観形成が行われやすくなるのです。

つまり、最初に申し上げたとおり、
大事なのは、とにかく起業に踏み出してみることであり、
起業時に本心から考えているビジョンは必要ありません。
それは結果としてついてきます。

起業家に求められるビジョンの、必要要件とは?

では、本心から考えていないにしても、
どんなビジョンを起業時に構築しておくと良いのでしょうか。

それは、以下の3要件になります。

① 起業する事業の本質的価値が言語化されていること
② 志が高いこと
③ 志が清いこと

ビジョンの用途としては、
最初に申し上げた通り、
本人のモチベーションと仲間とユーザーからの共感が
得られることであるため、
共感が得られやすいように、
志の高さと清さが必要です。

起業する目的が、
「自分がお金持ちになりたいから」と
言われた瞬間に、誰も応援したくないですよね。

あとは、なぜそのビジョンのために、
この事業をやるのかの論理的な整合性がないと、
この事業を起業する意味が誰にも納得感が生まれないため、
その論理的な整合性が求められます。

起業家のビジョンの作り方とは?

ここまで述べてきた通り、
ビジョン作成には、
上記の3要件を満たす必要があるため、
以下のステップで考えると、
必要要件を抜け漏れなく構築することができます。

①お客さまが、このサービスにお金を払う理由を言語化する

提供するサービスにお客さまがお金を払う理由は何か、
お客さまは何が嬉しくて御社のサービスを使っているのか、
それを明確に言語化することで、
事業が持つ本質的な価値が明確になります。

②お客さまの課題が解決されることが持つ社会的な意味を言語化する

お客さまの課題・負が、
サービスによって解決されることによって、
社会全体にとってはどんな意味があるのか、
1個人の視点から、社会全体の視点に引き上げることで、
より多くの人の共感を得られるようになります。

③自分自身の原体験とひも付けて語れるようにする

定量的なデータやロジックよりも、
エピソードによって共感は生まれます。
そのため、②までで構築した社会的価値を、
なぜ実現したいのか、
それを自分の原体験とともに、語れることが大事です。

最初は、これくらいで大丈夫です。
一番ダメなのは、
ビジョンがないと悩んでしまい、
起業を先送りし、経験を積む機会を失っていくこと。
起業していれば、
必ず自分自身が人生をかけてやりたいことが見えてきますし、
やっていないのに見えてくることなんてほとんどありません。

まずは、ぜひ、一歩踏み出してみてください。

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