クラウドワークス吉田社長
【『働くを通して人々に笑顔を』に至るまでの道のり】
2014/6/21に開催した起業家トークイベント「WILLFU TALK」の書き起こしをアップします!
この回は、サービス開始から2年間で依頼総額120億円を突破した急成長中のスタートアップ、
クラウドワークスの代表取締役社長吉田浩一郎氏をお招きして、お話し頂きました。
◆吉田浩一郎氏 プロフィール
1974年兵庫県神戸市生まれ。
東京学芸大学卒業後、パイオニア、リードエグジビションジャパンなどを経て、
株式会社ドリコム 執行役員として東証マザーズ上場を経験した後に独立。
ベトナムへ事業展開し、日本とベトナムを行き来する中でインターネットを活用した
時間と場所にこだわらない働き方に着目、2011年11月株式会社クラウドワークスを創業する。
◆書き起こし
【これからは、企業や国家に依存しないサービスにビジネスチャンスが広がる】
まずは、「20世紀」についてお話しをします。
これを学生のうちに勉強することが大切だと考えているのですが、
その理由は、こういうことです。20世紀の100年をかけて作られたものが今の社会の仕組みです。
一方で、インターネットは、21世紀の新しいインフラであり、社会自体を大きく変えていっています。
この21世紀に、どういったところにビジネスチャンスがあるかっていう事をマクロ市場
としてとらえようとすると、今の社会の仕組みである「20世紀」を勉強することは
結構重要なんじゃないかなと思っています。
例えば、20世紀のインターネットのない時代は紙で情報を管理していたんですよね。
紙で情報を管理すると何が起きるかっていうと、
昔は紙を束ねた人が情報強者になれたんです。
例えば大学の学生と教授がいたら、学生がレポートを出したとすると
教授が一番情報を持っているじゃないですか。
みんながどんなレポート書いたかというのは教授にしかわからない。
でも今だったらネットでアップしたりとか、LINEでこのレポート何書いたとか、
すぐ横で情報共有ができます。昔は紙だったので、
例えば20人がレポートを出したら、
レポートを出した1人が他の19人分の情報を手に入れることはほぼ不可能でした。
そういう意味では個人より企業が情報を持っていて、企業より国家が情報を持っていたんです。
インターネットが無かった時代は隣町のお祭りの情報も
いったん行政が集約して回覧板とかで回ってきて、
回覧板を通じて来週隣町でお祭りがあるという事を知りました。
ところが、今は個人がTwitterで「来週はお祭りだー」ってつぶやいたり、
行政がHPを更新すれば、リアルタイムでわかってしまう。
誰かが情報を取りまとめるのを待つ必要が無くなった、というわけです。
20世紀は管理という点で個人より企業、企業より国家が情報を持っていました。
しかし企業や国家のインフラは、
”(情報を)いつまでに提出してね”と一番下に言ってから、
それが上まで届くには1か月以上かかったりします。
これは情報を集めるのに大変不便です。インターネットの普及により、
現在では個人の方が情報を得るのが速くなりました。
これでどういうことが起きたかというと、
相対的に見て20世紀より国家や企業の価値が下がり、
個人は上がったんです。個人にフォーカスしたサービス、
つまり、これからは企業や国家になるべく依存しないサービスであればあるほど、
ビジネスチャンスが広がりますね。
【もう国家が個人を押さえつけることができる時代ではない】
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実際そういった現象が起きていて、チュニジアのジャスミン革命のときには、 br>
チュニジア政府がデモ禁止、外出禁止って国民を統制しようとしていました。 br>
ところがチュニジアにも会社があってビジネスがあるので、インターネットは残していたんですよ。 br>
結果、インターネットで連絡を取り合って、
チュニジア政府の陰謀だとか不正だとかをFacebook等で共有して、
デモの待ち合わせをして、デモができたわけです。
ちょっと想像して欲しいのだけど、もしインターネットがなくて外出禁止って言われたら、 br>
固定電話くらいしかないわけですよ。固定電話なんて傍受すればわかるじゃないですか。 br>
しかも電話って1to1なんで、全員で一挙にデモの待ち合わせとかできないんです。 br>
という意味でいくと、昔は国家が情報統制で個人を押さえつけることができたんですけど、 br>
今は外出禁止だとか、そんなの意味が無くて、個人がインターネットで繋がることができるわけです。
【企業も国に縛られず、国を選ぶことができる】
あるいはGoogleの節税テクニック「ダッチサンドイッチ」も、 br>
国家と企業の現在の関係性を象徴している事例です。 br>
みんなはこんなの当たり前だと思うかもしれないけど、 br>
20世紀ではありえなかったことですよね。国家の枠から出ることなんて絶対無理でした。 br>
つまりどういうことかというと、 br>
物、例えば紙とかをオランダに持っていこうとした場合って、 br>
必ず港とか空港とかを通ります。
港とか空港を通るってことは国家の管理下に置かれるということです。 br>
20世紀の”モノの時代”には、企業活動は国家の管理下にあったんだけど、
”インターネットの時代”になると、逆に企業は
「税制とか法律が納得いかなければ国を変えちゃうよ」っていうことができる。
これは20世紀考えられなかった。
Amazon Japanも最近国会で問題になっているので知っているかもしれないけど、
Amazon Japanの売り上げって全部アメリカに納税されているんですよね。
つまりアメリカの売り上げになっている。
駅前のキヨスクで雑誌買うと日本に納税されて、
Amazon Japanで買うとアメリカに納税されるみたいなちょっとおかしい感じ。
これは今、国会で大問題になっています。
Amazonは日本に法人がないからアメリカに納税しているっていう
税の取りようがないっていうようなスキームでやっていて、企業が国を選ぶ典型的なものになっています。
【シェアリングエコノミーが今後100年のビジネスモデルの基礎を作っていく】
AirbnbとかUberってこの2社とも知っている人ってどのくらいいます?
知らなかったらこの2社については少なくともメモってください。
ここから100年通じるビジネスモデルの基礎のアイディアなので、
この2社はメモる価値があると思います。
Airbnbっていうのは、みなさんの家のソファーとか、
部屋とか家そのものを世界中の人々に1泊単位で貸せるサービスです。
でもそれって友達ベースでは、やってるじゃないですか。
地方からくる友人に「リビングに泊まっていきなよ」っていうような、
枠貸しって友達ベースでは以前からあったんです。
でも今インターネットによって、
「いいじゃん知らなくても、空いてる部屋があるなら最適化したほうがいい」
という感じになっていて。これも20世紀は無理だったんです。
日本では民宿とかホテルは免許が必要だったし、
しかも情報がインターネットに流通してないから、
旅行代理店を通す必要があって、企業が仲介していたんです。
ところがインターネットによって、自分が持っているものを誰でも見せられるようになったので、
「空いている部屋があったら、旅行代理店通す必要ないよね」って。
しかも、「これ部屋貸すだけだから、旅館の免許いらないよね」っていうので、
Airbnbが立ち上がったわけです。現在、Airbnbは年間1000万泊を突破していて、
ホテルとかのシェアを取っているんですよね。これは信じられないことが起きている。
Uberは、日本では規制によって、まだ本格的にはビジネス展開できていませんが、
これはすごく破壊的なサービス。アメリカでは比較的容易に、
自分の持っている車をタクシー登録することができるのですが、
タクシー登録をした後、UberXに登録するとGPS情報を使って近くのお客を拾えて、
”乗車”ってボタンを押すと降車までの料金をGPS機能で計算してくれてさらに決済もできる。
日本ではタクシー登録したら業者から、タクシーメーターを買わないといけないのですが、
Uberでは「実際タクシーメーターもアプリでいいよね」ってなっているんです。
もはや日本の法規制以外にこの流れを止めることはできないですよね。
現在Uberは時価総額1兆円とかになっています。
これらはシェアリングエコノミーと呼ばれています。
自分の持ってるものをシェアするサービスです。
21世紀は個人の資産に焦点をあてて最適化するサービスが面白くて、
「今から1時間車は使わないので誰かに貸します」っていうのが
インターネットによって誰でもできるようになった。
これはもう国や企業に情報集めてもらわなくてもいいですよね。
【クラウドワークスは労働時間の空き枠売買】
クラウドワークスっていうのは個人のスキルの空き枠を売買するサービスです。
例えばお母さんが、子供が寝た後の2時間だけ空いてるっていう時に、
従来はこの2時間という空き枠に仕事を紹介するってことは無かったんです。
仕事を紹介するのは手間がかかるからマージンを取らないといけないので、
そんな小さい単位の仕事を仲介なんてできなかった。
ところが、クラウドソーシングがあると、
「2時間だけ時間があります。」「じゃあ2時間だけデータ入力お願い!」
というような形で、最短15分で企業と人をマッチングできる。
いわゆる働きかた革命、人材革命みたいなものがここでも始まっているんです。
歴史を勉強するとこういう構図が見えてきます。
不動産でみると昔は購入、賃貸という概念しかありませんでしたが、
現在では貸会議室のような”時間貸し”という概念ができている。
あるいは、サーバーでは、レンタルサーバーやクラウドという概念ができてきた。
最後に変化しているのは人材で、昔から正社員という概念があり、
38年前に派遣、最後にクラウドソーシングという頼んだ分だけ支払う概念ができてきたんです。
【国や大企業が「個人に仕事を発注する」という革命が起こっている】
今クラウドワークスは急成長していて、創業2年でクライアントが3万社、社員25人で
会員数は18万人、扱っているお仕事の総額が100億円以上(2014年6月21日講演当時)。
YAMAHAなどの大企業や、経済産業省などの官公庁からも発注を受けています。
日本って商習慣が特殊で企業は信用できるけど個人はできないっていう不思議な文化があって、
そんな中で経済産業省や国土交通省が個人に仕事を依頼するってことって革命なんです。
20世紀では絶対に考えられなかった出来事が今起きている。
今うちは広告を止めているんですけど、成長しているんです。
広告による成長ではなくて、必要とされているから伸びている。
人材がオンラインで調達できるってことは、
マーケティングや、プロダクトやあらゆるところの革命だと思います。
クラウドソーシングは地域活性化にも使えて、オンラインでの仕事なので、
東京の仕事を東京でする必要がなくなって、地元でできるんですよ。
なので、岐阜県の人は就職で名古屋に流れがちだけど、
名古屋の仕事を岐阜県でできる仕組みを作ったりして、地元の活性化になる。
他にはテレビ東京さんと組んで、シニア向けの
クラウドソーシングサービスをやったりしています。
20世紀では起こりえない、大企業が個人に発注するという、
すごく新しい流れが来ています。
【メーカーではなく、ユーザーにリーチできるところが全ての決定権を握る】
この流れの変化の本質は、価値の源泉が製造原価ではなくなってきている、
というところにあります。
大手家電メーカーってなんであんなに苦しんでいるのだろうかっていうのは、
20世紀からの「価値の源泉は製造原価だ」という呪縛が原因だと思います。
例えば本の値段は、印刷代とか発行部数とかでいくらコストがかかったから、
それに2割マージン乗っけて、割り算して何万部売るから1400円、
という値段の決め方なんですよね。
その決め方っていうのはすごく理解できるじゃないですか。すごく妥当じゃないですか。
ところが、みなさんご存知のAmazonの電子書籍は、Kindleで一律9.99ドルだって言い始めたんです。
そしたら出版社は反対するわけですよ。「いやいやなに勝手に値段決めているの?」と。
「値段は出版社が決めるものだから守ってくれる?」みたいな。
そしたら Amazonは紙の書籍も集めて、全部9.99ドルで売り始めたんですよ。
どっちが売れるのって当然Amazonが売れますよね。
つまりこれがどういうことかというと、
メーカーと流通があって、流通側が価格の決定権を持っている、
ということなんです。これはスーパーとかコンビニエンスストアも同じで、
メーカーに対してめちゃめちゃ競わせているのですが、競わせて価格下げたあげくに、
売れそうだからってプライベートブランドを始める。
昔はものを作っているところが偉かったのですが、
今はユーザーにリーチできるところがすべての決定権を握っています。
だからメーカーが「これなら赤字です」っていうのを聞いてもらえなくなっているんです。
さらにアメリカではオイスターっていうサービスが急成長しています。
そのサービスは10ドルで電子書籍読み放題。
こうなってくるともう、知に対するあり方が変わってきますよね。
昔は作家などの知識人は、知識を切り売りしていて、
知識が欲しかったら商品を買ってというのが、電子書籍読み放題になってしまった。
ほかにもSpotifyっていうのがアメリカから日本にそろそろ上陸するみたいなのですが、
なんと10ドルで20万曲聞き放題。何千万円かけてレコーディングしても10ドルの定額制で聞き放題。
つまり価格は製造原価に紐付かなくなってしまっているわけです。
こうした社会の変化に対する答えのひとつがクラウドソーシングだと考えています。
【サービスが出来上がる過程に参加することで共感し、その共感が新しい消費を生む】
スターバックスの「マイスターバックスアイディア」は
クラウドソーシングのいい例と言われているものです。
これは2008年スターバックスが経営危機を迎えた時、
みんなこんな高いコーヒー飲まないってなったときに、
創業者のハワード・シュルツさんが社長に復帰し、7100店舗を閉じ、
何をやったかっていうと、コーヒーを見直すのではなく、
スターバックスと顧客との関係を見直す、ということを提案して作ったサイトがこの
「マイスターバックスアイディア」です。これはコーヒーに限らず、
流す音楽、店員の態度や支払い方法の流れ、立地条件やグッズなど、
なんでもいいから要望を募集して、
「スターバックスはこれからみんなと創るんだ」というメッセージを流したんです。
その中から生まれたのが旅とともにあるスターバックス、ご当地マグカップです。
ある旅行好きのお客さんが、
「旅行先でスターバックスに寄るけど、どこも同じでつまらないから、
旅の思い出となるようなご当地マグカップを作ってください」というふうに言ったんですね。
ここでスターバックスのあり方というものが、転換していて、
コーヒーを消費する場所であったスターバックスが、コミュニケーション手段であったり
、旅の思い出、旅のきっかけだったりというふうに変容しています。
この時に、この旅行先でしか買えないマグカップは製造原価からかけ離れた消費をするはずで、
想像してほしいのだけど、こういったワクワクする消費なら
値段が100円、200円違っても買ってしまうんです。1000円でも1500円でも、
おそらく2000円でも、旅の思い出で、ご当地マグカップで、
そこでしか買えないものなら絶対買うんですよ。そういう形の消費が生まれている。
あと、ウォルマートっていうお店ですけど、
スーパーマーケットって全てのものがありふれていますよね。
なので、Get on the shelfというキャンペーンを行って、
「棚に何を並べれば良いか教えて」って。「みんなのほしいもの並べるよ」
というコミュニケーションを取ってウォルマートを作っていったんです。
我々の事例でもボンカレーさんとのキャンペーンがあります。
ボンカレーは去年リニューアルして、箱から出さずにチンできるようになったんですが、
「このリニューアルを広く伝えたい」ということで何をしたかというと、
クラウドワークスでキャッチコピーの募集をしたんです。
そしたら10万円で、キャッチコピーが1週間で4900案集まった。
しかもそれだけではなくて、「企業は進化している」とか、「
キャンペーンの一環として面白い」とかユーザーが好意的にTwitterでつぶやいてくれたんですよ。
これって20世紀の1つのビジネスの終焉を表していて、
キャッチコピーの仕事って広告代理店が何百万円もかけてやるもので、
こっち側ですべて作ってプッシュして配信しているっていうのが今までのモノづくりだったんですよ。
それが10万円で代理店と同じことができ、
無理強いするわけでもなく個人がみんな共感して「面白い、面白い」って広がっていく。
なので、大切なのはサービスをつくる過程に参加してもらい、共感が生まれることなんですよね。
そもそも全部が作られた状態で「これを食べてください」ってやるよりも、
作る過程そのものをみんなで共有することで、新しい消費の流れが生まれています。
今は製造原価ではなく、共感から価格をつくっていくことがすごく望まれている時代。
NASAも火星上陸のアイディアをクラウドソーシング上で
世界中の技術者から募集したりしているんです。
つまり、インターネットによりみんなの知恵が見える化されている今、
社内だけで何かを作る必要が無くなってきているんです。
そういった世界の大きなパラダイムシフトが起きています。
【人の共感が定量化、共感で人を選ぶ時代】
我々も共感を主体とした経済を作っていきたいと思い、
他人に感謝を伝えるお礼状やお歳暮のようなものをネット上でも実現したくて、
「ありがとうボタン」というものを作りました。
これはクラウドワークス上で、「いい提案をくれた」とか、
「思ったより納期が早かった」なんてときに、押してもらうボタンで、
現在70万回くらいユーザーさんにクリックされています。
今や2000回もありがとうボタンを押してもらった、という人もいて、
「お金を稼いだか」じゃなく「どれだけ“ありがとう”を言われたか」
で人を選ぶ時代が来ると思っています。Facebookでも「1000いいね!」が付いていれば、
ほとんどの場合いい人だと思うじゃないですか。
やっぱり、人の共感が定量化されてきているんですよね。
どんどん人の信頼とか喜びとか生き甲斐とかがネットに見える化され、
ネットに溜まっていくようになっているんです。過去のTwitter投稿を遡れば、
この人はどんな考えをもっているのか、
どんな人なのかっていうのも全部わかっちゃいますよね。
21世紀の終わりには人間の感情とかの見えない部分が
ほとんどネットで可視化されてしまうんじゃないかな、と思っています。
【正社員さえもクラウドソーシングで副業する時代が来る】
来年には正社員率が50%を切ると言われており、
「正社員として働く」ということを前提に作られた現在の社会のインフラは変わっていくと思います。
正社員ではない、残り50%の人のための働くインフラはまだ未整備なので、
それを仕事、社会保障、教育の3軸から整えていこう、っていうのがうちの事業です。
これによって日本にあるすべての企業のあり方が変わると思います。
また、正社員の人も、夜にクラウドソーシングで副業する時代が来ると思っています。
クラウドソーシングは全ての企業と人にインパクトを与えることのできる事業なんです。
【ビジネスモデルは、ストックから、ストックへの意味付けへ】
Google的な蓄積することが善というビジネスモデルの時代が変化を迎えています。
映像で言えば、Youtubeに動画が沢山ストックされているので、
一般的にはYoutube最強と言われているわけです。
でも皆さんYoutubeにトップページからアクセスした場合って、
ほぼ何を見ていいのかわからないですよね。
そんな中でdropoutなどのwebサービスが生まれていて、
これは定期的にYoutubeの1本を日本の社会の文脈に当てはめて、
こんな貧困の問題があるのでこれを見てください、というように提案するサービスなんです。
Youtube内の動画を紹介しているだけなのですが、
みんながYoutubeに意味づけを求めているのでこちらのサイトにアクセスしているんです。
ただ、ストックするだけでは意味がなくなってきていて、
ストックに対してストーリーや文脈などの意味づけをするサービスが伸びてきていると思っています。
【人間のコミュニケーションは「野生化」してきている】
VineやSnapchatのサービスでは瞬間を共有します。
動画の流れってYoutubeでは何分~何時間なんですけど、
それに対してVineは6秒の動画を共有するサイトで、時間が細切れにされて、
人って6秒くらいしか耐えられなくなっているんですよね。
さらに、アンサーとかTinder。アンサーは1時間だけ質問が見える化されて、
その後消えるのでしょうもない質問ばっかりなんですよね。
Tinderは絶対いれたほうがいいです。出会い系サービスなんですけど、
直感的に操作できるUIを世界中のサービスが参考にしてる。
またツイキャスも”今”を共有するサービス。
ツイキャスは30分以上やるためには投げ銭が必要で、
そのためにみんなを楽しませようとするわけじゃないですか、
それが今の共有ってことになります。
全ての風景は見たことがあるし、車もそんなにワクワクしないしというなかで、
この瞬間に熱狂して、この瞬間の当事者になるためにお金を使っている。
この瞬間を共有するためにお金を払っているんですよね。
あと、Yoってアプリは絶対ダウンロードしたほうがいい。
Yoってアプリはもはや何のメッセージも送れず、“Yo”を送れるだけなんです。
それ以外何も機能がないんですが、このサービスが1億円の出資を受けています。
コミュニケーションが本当に動物的になっていて、
言語領域じゃなくなっていて、脈絡がなくなってきている。
Tinderもいいか悪いかのフリックでしかない。
個人的にはインターネットによって、人は野生化しているのではないかと思っています。
コミュニケーションのありかたが劇的に変わってきているんです。
【ベンチャー企業役員として上場。自分でもできると思い、起業。しかし…】
それでは創業秘話に入っていきたいと思います。
私は、神戸の新興住宅街に生まれて、中高一貫校を出て、東京学芸大に行って、
1社目は日本のメーカーに入って、2社目は外資に行きました。
最初は普通の営業マンだったんですけど、
2社目の外資の会社では日本最大の展示会の仕事をやっていて、
多くの社長を横で見ることができたので、目が利くようになりましたね。
当時「起業したい!」と思ってはみたものの、起業の仕方がわからなかったので、
ビジネススクールに通って。そこで孫泰蔵さんに会わせてもらって
インターネットのことに刺激を受け、インターネット業界を志し、
ドリコムというベンチャー企業の役員にチャレンジしました。
ドリコム役員として東証マザーズに上場したあと、
自分でもできるはずだと思って起業したのですが…
とりあえず会社作ってみたけど何やっていいかわからない。起業してみると、
ヤバイ、お金がどんどんなくなっていく、みたいな。
なので、恐怖のあまり声のかかったものから手当たり次第にやりました。
【失敗の連続、光の全く見えなかった2年間】
いろんなビジネスで3年間めちゃくちゃなことをやりました。
例えば、上海にビルが新しくオープンするんで、
そこのワインの倉庫が売りに出ているらしいと。そこを買い取って、
そこを拠点に上海でワインビジネスやってみようとしたんですが、
私は、そもそもワインビジネスやったことがないっていう(笑)
しかも中国で起業したこともないっていう(笑)
輸出も輸入も一回もやったことないのにやろうとする、みたいな(笑)
で、これは数百万投資して契約できませんでした。
次にペットボトルに入れるハーブの販売事業をやったんですけど、
ビジネスとしてクラウドソーシングと比べるとポテンシャルが全然違う(笑)
ペットボトルを開けると水の中にハーブが落ちてヘルシーなドリンクになるっていう商品で、
日本にない、面白いと思ってやったのですが、当然、雑貨もやったことないし、
輸入もやったことない。営業力はあるので契約は取れたんですけど、
輸入代行業者が途中で失踪してしまいました。
このへんで懲りればいいものを、
今度は高級アパレルブランドの名義でチョコレート販売をするビジネスっていうのがあって。
「バレンタインでめっちゃ儲かるよ」みたいなことを言われて。
これは結構頑張ったんですけど、仲介者がすべて自分のものにしてしまいました。
この話を聞くと、どんだけ行き当たりばったりの起業しているのか分かりますよね(笑)
こんな感じで2年間は本当に真っ暗で何も光が見えなかったんです。
でもその後にだんだんと光が見えてきました。
【すこしでも良いと思ったらすぐにやる速さが1番大切】
飲食チェーン店のケータイプロモーション受注があったんですけど、
取引の信用が無かったから直接契約できなかったんです。
自分がまとめた話なのに、代理店などを何社か通さざるを得なくて、
それらにマージン渡して100万円の利益で終わり。
あと、黒歴史で誰にも話してないんですけど、
男性用スカートのEコマース事業をやっていました。
なんでこんなことやったんだろうみたいな。
でも、起業って結構そんなもので、やっぱりやってみないとわかんないんですよね。
あとから振り返ると、お前よくそんなビジネスやったな、っていうのが結構あるんですけど、
いかに早くチャレンジして、ちょっとでもいいと思ったものをやるのが大切だと思います。
別にそれは、戦術でも営業方法でもプロモーションでもなんでもなんですけど、
自分がいいと思ったものは早めにやって、早めに白黒つけていくことが、
起業においてすごく重要ですね。
ためらってやらないのが一番よくないです。
出資ってそのためにあって、PDCAを人より早く回すためにお金を集めるわけです。
自分の100万円だけだと、営業1人しか雇えなかったり、
広告を月に10万円しか打てなかったり、
というのを1000万円出資してもらうことによって、
人の10倍PDCAを回す、というのが出資なんです。
出資っていうのは、
ゲームで預かったお金を1番うまく使った人が次のお金を手に入れることができるゲーム。
だからこれはサラリーマンと同じなんです。
与えられた月給で最大限のパフォーマンスを発揮して、
「こいつ割安だな」と思われれば、給料が上がったり、新しい仕事が入ってくる。
起業もサラリーマンも社会のエコシステムに入ってる、
という意味ではあんまり変わらないと思います。
別に単独で起業するのは、興味あればやったらいいんですけど、
今っていうのはお金があり余っているので、
出資を受けて自分の時間を2倍、3倍にして、
スピードを速くするというのが主流になっています。
でも男性用スカートをやったのは良くて、当時の時流にヒットしていたんです。
当時中性的な男子のファッションが流行っていて、
原宿にもメンズスカートが結構あったんですが、専門のECサイトは無かったので、
やってみたらすごく当たりました。ananとか東洋経済、読売新聞に取り上げられて、
テレビにも出て、スカート男子の時代だ、みたいな感じに紹介されて。
ですが結論、市場が小さ過ぎたんですよね。
これが起業のサンク・コストっていうんですけど、
数百万かけて立ち上げて、在庫を持つじゃないですか。
毎月20~30万円売れているんですけど、
20~30万円しか売れてないという状況があったときに、
人って撤退できないんです。
撤退しちゃうと在庫が0円になってしまうし、今までかけた人件費とか無駄になっちゃうし、
20~30万円売れているってことは顧客はいるんだ、って思いたいわけですよ。
このときの経験を踏まえて、今は全ての企業と全ての個人にリーチできるビジネスをやっています。
【企業が発信するメッセージの鵜呑みでは、儲かるポイントはわからない】
予備校って、東大・慶應入りました、とか言うけど、実際には偏差値40、50台がたくさんいる。
そういうふうに、ビジネスには本音と建前があって、
その本音と建前を見抜けるようになってくると、儲かるポイントが見えてくるようになります。
経営も本音と建て前で、みんなに言っているメッセージをそのまま受け取っても、
儲かるポイントは全く見えません。
本当に儲かる方法って他人に喋んないですよね。
なので、みんなに出すメッセージと儲かるポイントは違うと思った方がいいのでは、と思います。
【役員の裏切り、36歳ですべてを失う】
色々やったんですけど、1つ立ち上がったのはベトナムでのアパレル事業。
日本のアパレルの在庫を買い叩いて、ベトナムで売るっていうビジネスが回り始めたんです。
それで現地で売ったら2日で3000枚売れて、市場も大きいしいけると思いました。
現地で店舗も出し、Eコマースもやってお金を投下したんですけど、
やっぱりアパレルは経験したことのないビジネスだったので、
在庫処分や売れ筋の見つけ方とかのポイントが全くわからなかったんです。
どんどん在庫が積み上がり、1億円の赤字まで膨れ上がりました。
そんななかで役員が取引先を引き抜いて独立したんです。
当時の収益構造は、日本で収益を上げて、ベトナムで投資する形。
両国に担当役員がいました。日本の担当役員はお金を稼ぐ方、ベトナムの担当役員はお金を使う方。
そんななか、日本担当の役員が取引先連れて独立して、
ベトナム担当役員も日本での収益が無くなり、恐くなって休む。
人生終わったなと思いました。36歳で1人ぼっちになった。
毎日悔しくて眠れなくて、寝てもその役員が夢に出てきて目が覚める。
離反した役員を憎んでいたんだけど、
憎んでいるだけでは全く意味がないという事に1ヵ月経って気づきました。
自分を変えないといけないと思った時に何をしたかというと…
「世界の働きかたを変えよう」という本に書いているので買ってください(笑)
【起業家も社会のエコシステムの一部。多くの人の力を借りることが成功への近道】
っていうのは冗談で、この本は(サイバーエージェントの)藤田さんが応援してくれているんですけど、
本当に藤田さんは良い方です。藤田さんのような良いメンターをつけるのは大事。
起業って自分の好きなようにお山の大将でやるって思っているかもしれないですけど、
自分でやりたいようにやれるのはごく一握りの天才だけなんですよ。
社会はエコシステムの中で会社みたいなもので、大きな意味でいくと、
起業家は自分もサラリーマンだって思った方が起業は上手くいくと思います。
自分の独りよがりのアイディアで自分はこれがいいからこれをやるんだっていうのは
1回はやったほうがいいと思いますけど、
やっぱり社会のみんなの力やお金の力を借りることが起業として成功する確率が上がりますね。
私が最初に起業したときに考えたことはお金儲けだったんですよね。
お金が無くなるのが恐かったので、「お金、お金」になってしまっていた。
離反した役員も最初は自分を好いてくれていたので、
事業の夢さえあればついてきてくれたのではないか。自分の強みに特化してなかったし、
ベトナムと日本で色々な事業をやっていたので、
それぞれの事業へ対する集中力が5分の1になっていたんです。
これもよくあることで、最初って、何も無いから何でもできそうだと思って、
2つ3つ事業をやってしまうんです。でもそうすると社長の力が分散してしまうので、
PDCAが回らなくなってしまうんですよね。
なので、複数の事業をやるのではなくて、1つに集中するのが大切です。
【社会のスタンダードを取ることができれば勝ち】
あと、これもよく思う事なんですが、わかりにくい社名はやめましょう。
私、最初ZOOEE(ゾーイ)という社名で会社をやっていたんですけど、
名刺を渡す度に「何やっている会社なんですか」って聞かれるわけですよ。
でもクラウドワークスってなると、「クラウドとワークスなんですね。
働き系のサービスですか?クラウドのサービスですか?」ってなるんです。
クラウドワークスという社名の方が読みやすいし、会社の事業がわかりやすいですよね。
さらに最近では、クラウドソーシングのことを
「クラウドワーキング」って表現されるようなことも増えてきています。
こういう形で社会の大きなスタンダードを取れるような社名、
サービス名にしていくというようなことが非常に重要かと思っています。
【エゴを追求した結果、人の役に立つことに集中したいと気づくことができた】
自分が1回役員で上場し、その後3年間お金を稼いでみて思ったことなんですけど、
やっぱり寂しいですよね。名誉とかお金があっても寂しい人生はつまらない。
1人になった時に痛感したのは、「自分は、名誉もお金も全くいらない。
本当に人に尽くして、人に感謝される仕事をして、ありがとうと言われたい。
人とのつながりの中で生きていくことが最も重要だ」って思ったんです。
ドリコムで役員で上場したあと、株を売ってふらふらしていたんですよ。
ふらふらしていると最初は楽しいんです。色々な刺激があって。
でもどんどん社会の中から離れていってる自分がいて、
社会から取り残されているような感覚がありました。
今、この話を100%理解できる人はいないと思うので、
まずは自分のエゴを追及して、高速回転させてください。
私は36歳でこのことに気づいたんですけど、SoftBankの孫さんは
26歳で気づいているんですよ。自分のエゴを追及してみて、色々やった結果、
「人に逃げられたり、裏切られたりするのは辛い。人の役に立つことだけに集中したい。」
というのに孫さんは26歳で気づいたんです。これは私よりもPDCA回すのが速いんですよ。
なのでエゴを持っている場合は、エゴを最速で追及した方がいいと思います。
私は先ほどお話した、最初に起業した会社で失敗したあと、
今度は法人向けサービスのインターネット領域で1番大きな市場を取ろうと考えました。
「知恵とか人脈とかノウハウは、出資をうけることで身につけていこう」
というなかで見つけたのがクラウドソーシングだったと。
決めたら迷いがなくなって、「資産なんかいらない」と車売って、
貯金の2500万円投じて、全力で起業したんです。
迷いが無くなると、人から自然に応援してもらえるようになるんですよね。
腹が決まった瞬間から、2年間でサイバーエージェント、デジタルガレージ、
電通と伊藤忠から14億円もの出資を受けることができました。
【「組織」と「事業」の成長カーブの違いを理解して経営することが大切】
ベンチャーによくあることで、これはすごく覚えてほしいんだけど、
事業と社員は非コモディティなんです。
お金とか部品とかではなく、ありふれていないもの、
つまりユニークな存在なんですよね。
それに対してお金はコモディティ。ありふれているものなので、
ありふれているものと、そうでないものが取引をすると、
ありふれているものは二次曲線を描くんですよ。
例えば、すごく利益でている会社には、
銀行がお金を貸したがるのでどんどんお金が集まる。
逆に一切利益の出てない会社にはお金は貸さない。これは常識ですよね。出資もそうで、
人気のあるビジネスにはどんどん出資が集まります。
ここでベンチャーあるあるなんですけど、
「お金集まったから、沢山広告打とう。めちゃめちゃ人を採用しよう。」というのは、
そもそも間違っているんです。なぜかというと、
事業は人の共感の積み上げだから。
今の時代は、事業の本質は売り上げではなくて、
共感なんですよね。なので、うちの会社は売上じゃなくて、
人の共感にコミットしようと思ってやっています。
あとは、理念に一致した仲間と働くこと。今、W杯やっているので(2014年6月21日講演当時)、
社内では日本代表を例に組織の話をよくしています。
日本代表って、Jリーグのトップメンバーや海外で活躍する選手が集まっていますよね。
でも日本代表としての信頼関係って、集まった瞬間からあるかっていうと、
無いじゃないですか。日本代表としてトレーニングして、その中でパスを回したり、
試合をして点を決めていくなかで初めて信頼ができていきますよね。
これがまたベンチャーあるあるで、起業家はみんな自分に自信があるんです。
ただ、設立当初から「自分が仲間に信頼されている」と思うのは大きな間違いで、
設立時は友達同士での起業であろうと、「信頼0」という認識をすることが、
ベンチャーにとってすごく重要です。その前提でやることが大事。
これができてないと、仲間割れする。
「俺のことわかってると思ってたのに、お前そんな風に思っていたのか」とか、
期待値がどんどんずれていって、おかしくなっていく。
信頼関係ってその会社のルール、つまり日本代表で集まったときに作ったルール、
監督が決めたルールのもとに、成果を出して、
点を入れて、を何回も繰り返した時に初めて信頼関係が生まれるんです。
成長のカーブとして、「事業」は良ければ、すぐにユーザーが付くので伸びるんですけど、
「組織」は絶対1,2年かかるんですよ。
我慢できなくて、「事業がこのくらい伸びているから、組織も同じくらい成長させよう」となって、
理念とずれた人を採用してしまい、組織がぐちゃぐちゃになり、
ユーザーの方を向く場合じゃない、となってしまうんですよね。
なので本来、組織は理念に一致した仲間のみに絞る、というのが非常に大切なんです。
その上でうちの会社では「働くを通して人々に笑顔を」というスローガンを掲げ、
ユーザーに集中してユーザーの笑顔にコミットする。
「人の共感にコミットする」、「理念に一致した仲間に絞る」。
この2軸がよい会社を作るために必須で、むしろこの2つさえあれば、
毎日すごく幸せなんですね。私自身、今、本当に社員やユーザーのおかげで、
楽なんです。たぶん働いているみんなもすごく楽だと思うんですよ。
というのも、うちには陰口とか悪口とか叩く人がいなくて、
メールなどの情報共有もうちでは1to1のメールは禁止で、
全体に対して常に意見を言う。なるべく誰が何を考えているのか、
を全員で共有できるように心がけているんです。
組織と事業とお金の成長カーブの違いを、理解して経営することが大切だと思っています。
【ベンチャーだからこそルールを作る必要がある】
会社作りは「夢」と「具体的な目標」と「ルール」。
つまり、ミッション・ビジョン・バリューの3つが非常に大切です。
ミッションは存在意義、終わりなき追及をする旅です。
うちでは「21世紀の新しいワークスタイルを提供する」っていうのがミッションになっています。
ビジョンっていうのは、クラウドソーシングで年商いくらとか、
いつまでに社員何名、とかですね。
あと、ルールです。ルールってすごく重要で、ルールが最初に設定されていなくて、
「俺たち分かり合っているよね」という感じでやっていると、
後から入ってくる人が創業者の行動ルールが分からず、揉め事が起きる、
ということがよくあります。なので、ルールを明確にするのが非常に重要です。
つまり、ルールを見える化、文章化する必要があるんですよ。
これは早くやって、創業者もそのルールに従って行動する癖をつけたほうがいいです。
ベンチャーの社長って創業時は自分勝手にやりたがるけど、
勝手なことやるとしっぺ返しをくらいます。
組織を作ることを意識して、社長が創業時から
「このルールをもとに動くぞ」と決めるくらいが丁度よいと思っています。
ちなみにうちは、役職、職種じゃなくて、
「ユーザーについて一番考えている人が偉い」というルールにしています。
そんななかで、36歳で寂しく1人ぼっちだった人間が、サービスリリース2周年の記念パーティーでは、
オンライン上のユーザーが200名以上、オフラインで集まってくれて
「ありがとう」と言ってくれるような会社を今やれてます。
「やっててよかったな」と。おかげさまで毎日楽しくやらせてもらってます。
働くを通して人々に笑顔をという話でした。ありがとうございました。
【質問】
学生:お話ありがとうございました。
吉田さんはAirbnbやUberなどのビジネスネスモデルの変化をとらえていると思うのですが、
世界の流れの変化というもののどう捉えていけばよいでしょうか?
吉田社長:サービスに対する理解でいくと、まずは、サービスを使ってみてください。
触った時の自分の感覚を言語化してみましょう。ここは少し楽しかったとか楽しくなかったとか。
ネットはコモディティなのですぐパクられるので、技術で純粋に差別化できるところはあまりないんですよね。
例えばTinderでいうと、マッチする瞬間が面白い。ピッ、ピッ、ピッ、マッチってすごく楽しいんですよね。
その瞬間は何で楽しいのかって考えると、
そもそも今までの出会い系で行くとプロフィールとか趣味とかを結婚相談所とかでやっていて、
いちいち登録がめんどくさいけど、Tinderはどの写真を使うか決めてと年齢だけですむ。
ここから、人がマッチために言語情報は必要なくなっているのではないかって思ったりするんですよ。
サービスを使ったときの感情、ここが使いにくい、使いやすい、
なんでだろうと考えたりしていると類似のサービス、既存の業界を調べるようになります。
自分にとっての文脈をどう捉えるかが大切で、
その中で、自分はどういったサービスに向いてるのか、
どういったものが好きなのかがわかるようになりますよ。
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