学生起業と、年収・資産との関係
金沢大学 特任准教授・「渋谷で教える起業先生」(毎日新聞出版)の著者 黒石健太郎です。
起業を考える学生を対象にビジネススクールを運営しています。
先日、私もコメントを寄せた論文がリリースされた。
リクルートワークス研究所 研究員 古屋星斗氏による、
「初職における起業選択のその後のキャリアへの影響に関する考察
〜年収、仕事満足度の観点から〜」
である。
詳細と正確なデータは、こちらの論文に譲るが、印象的だったデータ、
「初職で起業を選択した人と、
正社員を就職した人の、
30歳以降の年収と資産」
について、ここでピックアップしたい。
学生起業と、年収・資産との定量的関係
リクルートワークス研究所の論文から抽出したデータに基づく、こちらの表をご覧いただきたい。
大学を卒業してすぐに、正社員として就職した人と、起業した人で、30歳以降の平均「年収」と「貯金額」を整理したものである。
このデータによると、平均年収は1.3倍に、平均貯金額は1.65倍にまで至っている。
起業、特に早期からの起業と考えると、感覚的にはハイリスクハイリターンのイメージがあるように思うが、定量的に分析すると、年収も資産もいずれも初職で起業経験がある人の方が、かなり高く出たのである。
これまで、いくら早期からの起業経験は、将来のキャリアに役立つと論じても、感覚的な議論だけでは、根拠が希薄であった。このデータが定量的に抽出された社会的意味は大きいのではないだろうか。
学生起業が、年収・資産に与える構造
では、起業経験が、30歳以降の年収・資産を引き上げている構造がどうなっているのかについては、まだわからないと述べられている。これからの分析を待ちたい。
私見としては、収入の源泉となる、「価値創出力」に差が生まれるからではと感じている。
会社員であろうが、起業家であろうが、収入の源泉は顧客からの売上である。その売上は顧客に提供した価値に対するお返しである。結局は、どれだけの価値を創出できる人かが、収入を左右するのである。
初職で会社員になると、既存価値の運用トレーニングに当てられてしまうため、価値創出力が磨かれない。
一方で、初職から起業していると、価値創出を実践を通じて鍛練し続けているため、30歳以降の段階で、1.3〜1.65倍という大きな差になっているのではないだろうか。
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