起業経験とバイト経験。就活で生まれる違いの構造とは?
「渋谷で教える起業先生」(毎日新聞出版)の著者 黒石健太郎です。
起業を考える学生を対象にビジネススクールを運営しています。
先日、卒業生から、こんな話を聞いた。
「就活選考で、バイトの話をしていたときは、
面接官に全然刺さらなかったのに、
学生起業の経験を話すと、
目の色を変えて、話を聞いてくれ、内定もらえた」と。
そこで、なぜ、こんなことが起こるのか、整理してみた。
面接官から見た、起業経験とバイト経験の違い
まずは、面接官から見える景色を整理しておきたい。
面接官は、採用活動を通じて、
何十人何百人という学生と会って、選考を行う。
私も、面接官の経験があるが、
その際に語られる話が、ほとんど全員同じなのだ。
それはなぜか。以下の背景がある。
【背景】
・ 大学4年生で、アルバイト経験がある人は92.2%
・ 学生起業経験がある人は0.03%
・ 就活でアピールした経験2位は、「アルバイト経験」
(1位は、「大学の勉強・ゼミ」)
結果、ほとんどの学生が同じ経験を通じて、
同じことを学び、同じことを感じ、同じ話をする。
そのため、面接官も、話が始まると、
うんざりしてしまうのである。
逆に、学生起業経験などは、
希少性が高く、かつ、
求めているレベルの力を持っている可能性を感じるが故に、
食いついてくるのであろう。
起業経験とバイト経験とで、何が違うのか
そもそも、起業家とアルバイトでは、
報酬制度と、責任の帰属先が違う。
その結果、仕事に対する本気度のレベルに違いが生じ、
同じ時間働いていても、生まれる成長スピードに差が生まれるのである。
報酬制度の違いとは
アルバイトの場合、時給×労働時間で報酬が決まる。
一方で、起業家の場合、事業を通じて生まれた収益から、
将来への投資に必要な資金を差し引いて、自身の報酬を決める。
結果、アルバイトの場合は、
一生懸命働こうが、適当に働こうが、
支払われる報酬金額は変わらない。
一方で、起業家の場合、
結果を出さない限り、報酬は限りなく少なくなる。
しかし、結果を出しさえすれば、報酬を飛躍的に増やすこともできる。
責任の帰属先の違いとは
アルバイトの場合、仮にミスを起こしたとしても、
その責任は、その会社、もしくは社長に帰属する。
カフェでアルバイトをしていて、
お客さまにコーヒーをこぼしてしまったとしても、
そのアルバイトスタッフが個人名で批判されることはない。
しかし、起業家の場合は、
仮にミスを起こしたとすると、
その責任は、社長である自分自身に帰属する。
社長がお客さまにコーヒーをぶっかけた場合、
大きな批判を受ける可能性があるのである。
以上の構造の違いから、
圧倒的な責任感と、結果へのコミットメントの強さから、
アルバイトと比較して、起業家の方が、
仕事に対する本気度が飛躍的に高い。
そのため、同じ学生生活の4年間を過ごしていても、
アルバイトとして過ごすのか、
起業家として過ごすのかで、成長スピードが飛躍的に違うのである。
身につく力を想像してみる
では、どのような差が生まれそうであろうか。
アルバイトを通じて変化したこととしては、
以下のような項目があるようだ。
1位:責任感の強まり(33.8%)
2位:客として行った店の店員に丁寧に接するように(30.9%)
3位:金銭感覚が身についた(24.6%)
4位:言葉遣いがキレイになった( 24.1%)
5位:時間を意識して行動するようになった(22.7%)
先ほどの構造の違いを踏まえて考えると、
レベルの違いが想像つくであろうか。
「責任感」についても、
当然、社会的責任が少ない「学生」という地位と比較すると、
お金を頂いて仕事する「アルバイト」で感じる「責任感」についても、
違いや成長を感じるはずである。
しかし、アルバイトの責任感と、
起業家の責任感では、
先ほどの通り、大きな違いがある。
2位のコメントも同様である。
過去の受講生がこのようなことを発言した。
「自分で事業を立ち上げてみると、
事業がいかに大変なのか痛感した。
その経験を踏まえると、
道端や商店街で小さなお店を運営している
おじさんやおばさんも、
昔はちょっとバカにしてたところがあったけど、
本当にすごいなと見る目が変わった」と。
店員さんに対しても、
経営者に対しても、見る目が変わるようである。
金銭感覚についても、
「1時間働けば、1000円稼げる」という感覚なのか、
「1円単位でコスト管理が気になったり、
同時に今の1時間の取組が、将来の数億円になる」という感覚なのかの違いがありそうである。
まとめ
以上のように、
面接官側から見た時の希少性と求めている度合いの高さ、
そして、学生自身の目線の高さの違い、成長スピードの違い、
の二つの要因によって、
起業経験とバイト経験での就活における大きな違いが生じるのであろう。
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