「渋谷で教える起業先生」（毎日新聞出版）の著者 黒石健太郎です。
起業を考える学生を対象にビジネススクールを運営しています。
受講生から、「起業に学歴は関係ありますか？」と
質問を受けるため、データを基に考えてみた。
起業と学歴の関係 サマリ
成功している起業家の学歴、
我々が運営している起業ビジネススクールの受講生の学歴を調べてみて、
以下の結論に達した。
「学歴が高いと、成功確率は上がる」
「しかし、大成功に学歴は関係ない」
高学歴者にありがちな、
成果にコミットしてやりきる力、
戦略を精緻に描き切る力が、
確率を引き上げるのではないか。
しかし、逆に、学歴の存在が、
大成功するために必要な思い切った決断、
失敗リスクを取りに行くことに対して、
弊害になることがあるのではないか。
長者番付Top10起業家の学歴を調べてみた
経済誌「Forbes」に掲載された
2015年度日本の長者番付ランキング
Top10の学歴について調べてみた。
【長者番付リスト】
1位 ファーストリテイリング代表取締役 柳井正氏
：早稲田大学政治経済学部卒
2位 ソフトバンク代表取締役 孫正義氏
：カリフォルニア大学バークレー校経済学部卒
3位 楽天代表取締役 三木谷浩史氏
：一橋大学商学部卒
4位 キーエンス代表取締役 滝崎武光氏
：兵庫県立尼崎工業高等学校卒
5位 ユニチャーム創業者 高原慶一朗氏
：大阪市立大学商学部卒
6位 SANKYO創業者 毒島邦雄氏
：学歴不明
7位 マルハン代表取締役 韓昌祐氏
：法政大学経済学部卒
8位 森トラスト代表取締役 森章氏
：慶應義塾大学経済学部卒
9位 セブンアンドアイホールディングス会長 伊藤雅俊氏
：横浜市立商業専門学校（現在は横浜市立大学）卒
10位 ABCマート創設者 三木正浩氏
：東邦学園短期大学卒
この事実をどう捉えるかは、人それぞれであろう。
そこで、もう少しわかりやすく見るため、
弊社ビジネススクールの受講生について、
生み出した利益額と学歴を並べてみた。
ウィルフ出身起業家と学歴の関係
結果は、以下の通りになった。
「大学別の利益額平均Topは、東京大学」
「個人別利益額Top10には、東京大学出身者はゼロ」
これらの結果から、言えるのは、
「学歴が高いと、成功確率は上がる」
「しかし、大成功に学歴は関係ない」
ということではないだろうか。
では、なぜこのようになってしまうのだろうか。
起業と学歴の関係の要因
起業して、収益を生み出そうとすると、
「戦略の優位性×立てた戦略をやりきる力」が必要になる。
特に、我々のビジネススクールでは、
短期的な収益で事業立ち上げの成果を競い合うため、
その際には、収益にコミットしてやりきる力の差が、
顕著に収益にインパクトを与える。
試験の点数アップにコミットしてやりきる力が、
この結果に影響を与えているのではと思われる。
と同時に、事業で大成功し、
リターンを大きくしようとすると、
大きなリスクを取りに行くことが求められる。
その際に、失敗リスクを抱えることになるため、
高学歴者が持つプライドが、
失敗リスクをとることにネガティブな影響を
与えてしまうのではないだろうか。
起業時に学歴が気になる方へのメッセージ
ここまでの話を踏まえると、
「あまり関係がないようなあるような…」
と感じられたかもしれない。
私が、思うのは、
「この論点自体が、ナンセンス。考えても意味がない。」
ということだ。
過去は変えられない。
しかし、未来は変えられる。
そもそも、変えられないことを考えても意味がない。
起業家として成功するために必要な要素を分解し、
学び、身につけ、行動する。
それによって初めて未来を創り出すことができる。
そのための場を、我々は用意している。
興味がある方は、
卒業生の2人に1人が起業する、
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