先輩起業家の声
2014.05.08

社会起業家 育て上げネット 工藤理事長
『社会課題の解決は、エコシステムを作らなきゃ絶対できない』

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起業家トークイベント『QAGO』第5回は、
社会起業家であるNPO法人育て上げネット理事長工藤啓氏にお越し頂きました!
以下、対談の様子をすべて書き起こしてみました。 
 
 
■『QAGO』とは
スクリーンショット 2014-01-13 14.13.20
 
QAGO<カーゴ>は、就職以外の幅広い選択肢を学生に知って頂くべく、著名な起業家をお招きして、学生時代のことをQ&A形式で話していただくトークイベントです。 
 
 
 
 
■QAGO第5回はこんな感じ 

登壇者は、『NPO法人育て上げネット』理事長の工藤啓氏 
司会は、ウィルフ黒石健太郎氏 
 
会場の様子 
最初
 
 
■育て上げネット理事長 工藤啓氏、登壇  

 
工藤さん
 
 
 
工藤
簡単に自己紹介させてもらいます。
僕はですね産まれたとき家族が30人ほどいました。
両親は塾を営んでいました。
ご存知だと思うんですけど塾は夕方から夜がコアタイムです。
皆さん学校終わってから塾くるから。
 
あるとき、サリドマイドの影響を持たれた女性の保護者から
受け入れてもらえないかという依頼があったそうです。
 
「どうぞ」ということで引き受けたらしいんですね。
そのような話が広がり、ウチの子どももといった形で
十代、二十代の子どもたち、若者が来られるようになったそうです。
 
いかんせん40年前だからもっと厳しい状況の中でみるみる増えていったわけですね。
そういう人が、まあ当時まだ0歳とかだったので詳しくはわからないのですが
 
塾って通常通いでくるとこだと思うんですけど、
通えない人もいるわけですね。遠方の方とか。
そこで両親は家庭を社会に開いたんですよ。
つまり、生活を共にしながらやっていこうと。
 
物心ついた時からですね、30人位一緒に暮らしていて、
大学進学したりとか、仕事に就いて卒業していくのですが、
するとまた新しいひとが入ってくるわけですね。
 
まあそんな中でこう、たまたま育ちまして今も結構大変で、
まあそれで僕はそれに近い仕事してるんですけど、
 
当時はですね、いろいろ嫌な思いもしました。
そういう家って、普通だとは思われないから。
それでお父さんの仕事とか作文の宿題出たときに
答えられないんですよ。何してるか分からないから。
たまたま一緒に暮らしていて、みんなで遊んだりもして、
ウチのお父さんの仕事ってなんなんだろう。
会社にも行かないし、ネクタイもしないし、
何かを作っているとか、売っているとかっていうわけでもない。
 
時代が変わって、あれから30年以上経ってですね、
僕の仕事は、社会的企業とか言われたりするんですね。
社会的な問題を解決する仕事であると。
自分たちで社会的ですって言うようなことはないのですが。
 
なんか新しい名前とか概念がついて。
恐らく皆さん10年後なんかは 
今だったらこんな変なコトしてるよねって言われそうなものに
新しい言葉がついて、カッコいい仕事になっている可能性があるっていうの、
若干自分のこう成熟歴を持って思うんですけど。
 
小学校の時から、
ずっとサッカーやってたんでマラドーナになりたくて、
プロサッカー選手とか書いてるわけですけど、まだプロ化してないのに。
 
中学校の時は漠然と総理大臣になりたいってどうも言ってたらしくて。
 
高校の時大学の専攻決めなきゃと思ったときに、
新聞記者とかいいかなって思ってメディアに行こうかと。
 
それもあの今では考えられないと思いますけど、
ウチの家が特殊だったので結構取材とか来るわけですよ。
携帯とかメールもないので例えば全国紙に掲載されると
3日くらい電話が鳴り止まないんですよ。
ずーとなってるんで新聞ってスゲーなとか思って、
 
よくよく考えると総理大臣になって何かやりたいこともないんですけど、
メディアとか影響力みたいな、
普及効果、スケールアウト、レバレッジ
なんでもいいんですけど、
なんかそういう様なことちょっと憧れてたんだなというのが幼少期ですね。
 
ただ、日本で結局それで成城大学って所に行ったんですけど、
家から近かったし、人数も少なかったし、いい大学でした。
そこを2年間で辞めて、海外に行って海外の大学で卒業しないで、
起業するために帰って来て今に至る、というのが簡潔な自己紹介です。
 
 
写真 5 (9)
 
 
■若者の支援と社会を変えるエコシステムを創り出す! 

 
 
黒石
あの、今のお仕事についても、お話し頂いていいですか?
 
 
工藤
今ですね、何をやっているか結構難しくてですね、
一言で言うと、、
人材育成と能力開発をやっているんですよ。
 
若年無業者支援をしています。ニート支援とかひきこもり支援とか
触法青年支援やってます。
触法青年ってのは法に触るって書いてショクホウって読むんですけど、
少年院や少年鑑別所の領域ですね。
 
大体年間で、新規1500人位の何らかの理由で
すぐ働くことがが難しい人たちのご支援をしています。
 
これをここ10年やってきて1万人位に出会いました。
一人ひとりがとてもとても大変なストーリーがあるんですけど、
それらをデータ化すると色んなことが見えてくるんですよ。
 
つまり、ここにいる方々はわかりませんけれども、
この日本社会において仕事をすることが難しくなりやすい若者と
出会っていくなかで、どのような高校生などが厳しい状況なのかなと
いうのが少しずつ見えてきました。
 
進路多用校と呼ばれる高校、端的に言うと大学進学する人が殆どいない、
1/3が卒業と共に就職か専門学校、
1/3が卒業と共に進路未決定、
もう1/3が3年間の間に辞めていくという高校で150校位全国で授業をしたりとか、
 
職員室にうちの法人のテーブルあって、
先生方と一緒になって
高校生の支援をしています。
 
高校生、高校とたくさん関わっていると
そういう高校に行く子どもが
どういう小中学生なんだろうって大体分かってきます。
あくまでもデータと感覚から推測するわけですが、
困窮したご家庭で育っているひとが少なくない。
 
いまは経済的に苦しい小学校四年生から中学校三年生60人位、
学習と生活の支援を始めました。
 
一方でそこから得られたデータであるとかを、活用して、
白書を出したりとか、若い人たちを、社会に押し込むだけではなくて、
社会を変えないといけないので、
国の法律とか、制度を作るような委員会とか審議会に入って提言をしたりだとか、
こういう問題に関心のなかった企業さんを巻き込んで、
お金出してもらったり、人を出してもらったり、
そういうエコシステムを作る活動を一方でしています。
 
いま社員が100人位いまして、
でフルタイムが50人位で、
残りが週3とか週4とかその契約社員というか非常勤です。
 
 
黒石
ごめんなさい、最後の所だけ簡単に先にお伺いさせて頂くと、
そもそもNPO法人の中で従業員数が100人位いらっしゃる団体って
殆ど無いでんすよね、
 
 
工藤
今回のソーシャルビジネスの文脈かどうかはわかりませんが、あります。
介護と医療と福祉領域などです。具体的に調べたことないんですけど、
 
100人超えている所ってあると思います。
介護とか福祉で大きいNPOもあります。
 
ただ、最近言われているソーシャルビジネスとか社会的起業とかいう文脈で言うと、
僕が知っている範囲ではフローレンスさんです。駒崎さんのところは
多分200とか3桁の社員がいる所ってあんまり聞きませんが、付け加えますと、
沢山雇っているとこが別にいい訳ではなくて、
問題解決しているとか変革していることが重要なので
NEWVERYさんとか人数少ないけどものすごいこと、中退防止とかやったりしますし
むしろ、育て上げネットは社会変革という文脈では強くないと思います。
 
 
黒石
ありがとうございます。
今、お話伺った限りだと、
産まれた時から、
他の方と比べると特殊な環境で育ってこられて、
親御さんがやっていらっしゃった特殊な仕事内容が、
今の仕事内容にかなり繋がっているのかなと思いました。
 
学生時代に事業を立ち上げるにあたり、
他の事業を立ち上げる選択肢も全然あったと思うんですけど、
そもそも学生時代にはどんなことを取り組んでいらっしゃって、
何故このような事業を立ち上げられたのかお伺いしてもよろしいでしょうか。
 
 
写真 4
 
 
■ある台湾人と出会った翌日に、大学中退と留学を決意  

 
 
工藤
まずは高校まではですね、365日毎日練習があるような部活を中高ずっといまして、
部活以外知らなかった。
せっかく大学に行かせてもらえるので見たいなと思って部活とは全然世界をみたいと、
その時に最初に思ったのが、
バイトしてみたい、金稼いでみたいなと。
今ほど出席が厳しくなかった時代なんですね。
 
月に26日位アルバイト朝と夜でして、
お金はたくさん稼ぎました。
別にすごいとかじゃなくてほとんどの時間、バイトをしていたっていう感じです。
 
そこで、長期の夏休みになると、知らないことをやってみたかったんで、
バイトを一旦全部やめて、海外に旅行に行くんですね。
 
僕はバックパックとかが苦手なので、
一ヶ月間のチケットをとって最初の3日間ホテルだけ抑えて、
残りの27日間泊めてくれる人をさがすっていう旅をいつもしていて、
アメリカのシアトルとか行った時に最初の三日間どこ回るかっていうと、
近所の公園回るんですね、グラウンド回ってサッカーやってる人見つけて、
入れてくれって言って一緒にサッカーやって泊まるとこないから、
泊めてくれ、もしくは日本人の留学生紹介してくれって言って英語もできなかったんで。
 
そこで色んな出会いとかもありつつ、
たまたまシアトル行った時に台湾人と仲良くなりまして、
当時はモーニング娘っていうがフィーバーしたときで、
台湾にも日本の文化の波がちゃんと言っていて、
英語も全然できなかったんで、漢字と拙い英語で喋っていて、
母国をでてアメリカ行って何やってんの?みたいな話をしたんですけど。
こんなこと言うんですね、
 
台湾ってリパブリックオブチャイナっていうことで、
国が国じゃない微妙な国だと思うんですけど、
中国と戦争になる可能性がないわけではないから、
その自体に備えて、家族を守れるようアメリカに留学をして。
勉強して、いい会社に入って、税金払って、
グリーンカードという市民権を取って、
その為に自分たちはアメリカに来ているっていうんですよ。
めっちゃ影響をうけるわけですよ。
そんな問題にさらされてみたいなことなかったんで、
 
でそれでなんとなく、
ホントになんとなく彼らと一緒にいなきゃいけないんだろうなと思ったんで、
翌日ですね彼らの行ってるの学校に連れて行ってもらって、
入学の仕方を教えてもらいました。
 
日本に帰って、両親に大学辞めると、アメリカ行きたいんですけど、
なんでって言われたので、台湾人と一緒にいたいんですって。
 
二年になった時に大学に辞めますって言って止められて、
休学にしないかって、なんでですか?って聞いたら、
いつでも戻れるようにって。
タダでできるんですか?って聞いたら
学費の半分払ってくださいって言われたんで、
じゃあいいですと。無理ですと。
 
 
黒石
今なんかサラっとお話されたんですけど、
お話されている内容、割とすごい衝撃的なことやっているような
感じがしています。
たまたまアメリカ旅行に行かれていたときにサッカーをしていて、
出会った台湾人の方に出会った。
その方が、センシティブな状況の中で、家族の命を守るために、
アメリカに出てきて勉強して仕事するんだと燃えていた。
そういう事実を聞いたことで、
その場で、アメリカの大学に申し込みをされて、
日本の大学を中退されようとするって、
実はものすごい意思決定な気がするんですけど、
それってなんでそんな意思決定ができたのですか?
 
 
工藤
一つはですね、大学に行ってなかったからですね。
先ほど申し上げた通り大学に殆ど行ってなかったですし、友達少なかったし、
とにかくアルバイトが楽しかった。
 
自分の中のアルバイトの面白さってのが、
そこの職場で一番時給が高くなるためにはどうしたらいいんだろう
っていうことを体現してみたくて。
Max1610円もらって働いてたこととかあるんですけど、お金なんかより
結局社会人と話しているのが面白かった。
 
別に同世代の仲間が悪いとか全然なくて社会人とかこういう場所にいなかったので、
楽しいなと思って大学行ってないから辞めることに抵抗はなかったです。
 
実際2年生終わって辞めてアメリカ行ってですね、
伝える友達もあんまりいなかったんで、
五月くらいにメールでそろそろ学校きたほうがいいよって友達から言われたりして、
幽霊部員みたいな。そういう事情があったので、決断としてはそれほど
大きなものではなかったと想います。
 
 
黒石
ということは日本の大学に通っていらっしゃる時から、
大学という所に対する所属意識がもともと希薄だったと思うんですけど、
日本にいらっしゃった時はどんな思いで、
今仰っていたアルバイトとかに注力されていたんですか?
 
 
工藤
働きっぷりがお金に変わるって非常にわかりやすいじゃないですか。
学生時代はそう思ってました。いまのような知識も経験もなかったですし。
 
起業とは言わないですけど、
自分の価値が上げるっていうことは時給が上がるということですので、
時給を上げるためには、
職場の中でどうやったら自分の価値を上げるにはどうすればいいのか、
まあそういうの考えるのが多分好きだったんでしょうね。
 
 
黒石
大学の勉強よりも自分の価値を向上させた時の評価基準が明確で、
それを磨きたいという欲求が出てきたと。
 
 
工藤
そうですね。自営業で自分の父親とかの人たちが、
こう大人として一緒に暮らしていたので、
大人の中にずっといると同級生と話すことがととても難しくなってくる。
中学や高校時代は特に
浮くんですよ。
僕はあの高校二年生の時に同級生からも宣言を受けました。
このままだと・・・と。
 
 
黒石
それ優しいですね。(笑)
 
 
工藤
そうですね。(笑)
もしこれ続ける様だったら仲間に入れないから、みたいなことを言われた気がします。
うろ覚えで申し訳ないのですが、そういうことを高校生になって言われるんだ、と。
 
今ここにいる皆さんの様な方と学校で会えてないので、
話していて面白くないから社会人と話すことを選ばざるを得なく
なったのかもしれません。ただ、そのときでも加担しない友達もいて
いまも仲が良いですし、信頼しています。
 
 
黒石
なるほど。そういった方々と同じような属性というか、
話していてレベル感が合う方がアメリカにいらっしゃったので、
自分のいる所はここじゃないかと思って留学を決断されたと。
 
 
工藤
決断というよりはそう思ったからそうしただけであって、
あまり迷うこともなかったですし、
よく聞かれるんですけどあんまり何も考えてないというか。
 
 
黒石
日本の大学を一応卒業しなければならないんじゃないか、
みたいなことは思ったりはされなかったんですか?
 
 
工藤
ウチの父親って早稲田辞めて和光行って和光辞めて、
母親は和光辞めてるんで2人合わせて3回中退している、
しかも父親は小学校を辞めさせられたそうです。
 
周りにその、結構中退というか大学を途中で行かなかったり行けなかったりした
大人が多かったので、、
環境的に中退するということが割合としてすごく特別な世界に囲まれて無かったから、
多分中退怖いと思うのは中退した人が周りにいないからすごく怖いと思うし、
当たり前になればそんなに大したことではないと思います。
 
 
黒石
確かに今では六人に一人は中退される。
 
 
工藤
そうですね、NEWVERYの山本繁くんの書籍では、
今大学4年間でちゃんと卒業して、
最初に入った正社員でちゃんと就職して最初に就職した会社で三年以上働く人って
30%位と書いてあります。
いわゆるストレーターっていうんですか、
留年もしない、中退もしない、途中で休学もしない、
新卒の正社員になって同じ会社で3年以上働く人は31%しかいないんで、
寧ろ69%の方が圧倒的に多いと考えると、
ストレーターが当たり前で思うことっていうか、
ストレーター目指すことの方が結構リスクがあるみたいで、そんな感じかな。
 
 
黒石
途中で僕が話を変えちゃったんですけど、
アメリカに行かれた時からの学生時代に取り組んでいらっしゃったことを是非。
 
 
工藤
アメリカはですね、ビジネス学部の会計学科を選びました。
何故かというと最初にプレイスメントテストって言うのを受けて、
英語と数学の力を見られるんですけど、
英語が70番台レベル。高校卒業していると普通は
100番台の授業を取るんですけど、
それマズイなと思ってでもなんか高校の数学を向こうの大学1年でやる位なので、
数学解けたんですよ1回習ってるんで、
成績良くないと大学いけないので、数字が多く出てくるところを選びました。
 
僕は最初カレッジ行ったのですが大学に進学するためには
ものすごく成績をとり、ボランティアなどをしていて、部活なども
積極的にと。大学に途中から入るときのハードルがとても高いことを
いわれました。
 
成績も、社会活動もきっちりしていないといけないみたいな世界だったんで、
英語とったらヤバいと思ったんで、
数学的な所を行こうかなと思って会計学を選びました。
 
向こうでは部活やりました、言葉できなかったんですけど、
スポーツいいなって思って
サッカー部で色んな国の人とサッカーしたってのはありますし、
後はお金がなかったので、
友達何人かでBBQやるとかで色んな国の人から10$位もらって、
ホントは300$位しかかかってないんだけど、
売上がもっとある。友達が友達を連れてくるからです。
 
お金もないし、そういう活動から生まれる端数部分を
企画したメンバーでシェアしたりしてました。大きな金額では
ないのですが、アルバイトもできませんし。
 
 
話を聞く
 
 
■エッジが立ってると褒められる、『すごく「合理的」な国だな』  

 
 
黒石
今のお話だけだど、
今取り組んでいらっしゃる事業を、在学中に立ち上げる所に
どう繋がったのかがわからなかったんですが、詳しく伺っていいですか?
 
 
工藤
あ、繋がらないんですよ。いつまで喋っても繋がらないと思います。
ただ学校で面白かったことがいくつかあって、
一つはクラスに色んな国の人、年齢のひとがいるっていう。
 
クラスで一番だった教科があったのに、あっさりと
首から下が動かない、小学校5年生の子が飛び級してきて
めちゃくちゃ勉強できるんですよ。
 
僕がいたクラスだけなのかはわかりませんが、合理的だからクラスで一番勉強できるやつと勉強するんですよ。
一番じゃないとあっという間に周りに人がいなくなる。
ああ良い国だなって思ったんですけど。
 
僕英語があまりにもできなくてクラスの一番左後ろに座って隠れるわけですね。
あてないでくれって。
 
ある数学の授業で先生が問題出して、
端からこうどんどんあててたらできないできないできないって言って、
僕の所まで来てしまったんですよ。
僕は一応解けてて、
今でも覚えてて答え3だったんだけど、
先生に聞かれて、「スリー」って言ったら正解って言われて、
クラスで唯一正解したときに何が起きたかっていうと、
スタンディングオベーションが起きて。(笑)
 
 
黒石
学校でですか?(笑)
 
 
工藤
学校で、アメリカのテレビとかみるとやってるじゃないですか。
ホント普通にやってて、
前に出されて、よし、どうやって解いたか教えてやれって
言われて僕は英語で説明できないですから公式を、
3√4/5を英語で言えますかって普通言えないわけですよ。
英語、得意な方以外。言えないって話をしたら、
じゃあ書けって言われて、
前でガーッと書いたら、もう一回スタンディングオベーション。
 
その翌日何が起こったかというと一緒に勉強しようって人が増えて、
なんでこんなに英語のできない僕と勉強したいのって聞いたら、
クラスでお前が一番できるから、
一緒に勉強するならお前が一番良い、僕でなくてもいい、
すごく合理的な国だなっていうのがエピソードとしてすごく残っていて、
こうエッジが立ってると褒められるんだと。英語が流暢である
必要がない訳ですよ。カレッジレベルでは。
 
ホントに心に残っていたのが、
必ずグループワークでプレゼンテーションあるんですけど、
グループ組めて言われた時に1人グループが認められてるんですよ。
最高のプレゼンテーションをするために、
仲間でいることがが邪魔な不必要な場合は一人でいい。
なんで5人でやってもいいし1人でもいいよ
ってプレゼンの機会があって、
 
僕は英語喋れなかったから何したかっていうと、
当時は珍しかったんですけどパワーポイントガリガリ勉強したんですよ。
喋れないから。今はもう簡単に誰でも使えますけど。
 
そうするとですね、グループ組めと言われると、必ずリーダー格の人間が必ずいて、
自分が一番良い成績を取るために、声かけるんですよ、
お前とお前とお前やろうってそういう時に、
パワーポイント作れる奴って貴重なんですよね。
面倒くさい作業ですから。
 
そうすると一番できると言われるリーダーシップをとる人間から、
お前一緒にやろうってパワーポイント担当ねって、
パワーポイントやってるだけで、
プレゼンが終わって、僕一言も喋んないで、成績がよくなり、
なんてわかりやすい社会であり、
あいつが嫌いだから組まないとか、
国が違うから一緒にやらないとか、
言語が違うから、イケてないから組まないというのがあまり無かった、
というのは日本と大きく違っていて学びになりました。
そして楽しく過ごしていたと。
 
 
写真 5 (5)
 
 
■起業したのは、社会課題を解決することに僕の性格がドンピシャだったからかもしれない。  

 
 
その時にですね、色んな国からビジネス学びに来てるんで、
起業するっていう話が寧ろ前提でいつも喋るんです。
 
自分で会社を起こさない人間って自分の親の会社を継ぐっていう文脈なんですよ。
就職の話って出ない、
あるとしたら有名なコンサルティングファームに行くと人脈を作ってこれをやるとか、
ここでこういうことやってから起業するみたいな。
寧ろ起業しない人間が不思議みたいで。
 
そんな時にヨーロッパの友人から、
日本に帰って若者支援の起業をした方がいいっていきなり言われたんですよ。
なんでって聞いたら、
先進国の国際的なトレンド、色んなトレンドを見ていると、
ある程度堅調な経済がダウンすると、
今働いている人たちが労働市場から出されてしまうので、
この人たちをどうしようっていう風に社会がこうワーっと困っていく。
 
そうすると必ずそこには新規採用抑制、
若い人世代経験がない人たちが行き場所がなくなって、
三年後から五年後に若い人たちをなんとかしよう
っていうマーケットができるってホラホラホラって見せられて、
日本って2000年代に金融規制緩和200万人リストラされるって、
もうすぐ来るんだから起業したほうがいい、
勉強してる場合じゃないって言われて。
 
それであの、本当にそうなのかなって思って、
紹介してもらってイギリスとドイツに見学に行きました。
 
 
そしたら面白いことがいくつかあって、
一つは日本でもその問題が起きそうだなっていう
感覚的なものを自分の中で発見したことが1つ。
2つ目はなんでこう若い人たちの支援をするんですかって聞いたら、
ソーシャルインベストメントだからって言ったんですよ。
僕ビジネス学部だったからインベストメントって習ってたんですけど、
頭にソーシャルがついたのは初めて聞いたんですよ。
その時。何?って聞いたらお財布の100円を市場に投入して
1000円になったり0円になったりするけど、
 
ソーシャルインベストメントってのは
自分の想いとか時にはお金とか、時間とかキャピタルを
社会問題というマーケットに入れて、
社会が良くなるというリターンを得ることで、
お金が付いてくるかどうかはあなた次第というコンセプトがすごく面白いなと。
 
一番困っている若者たち子供たちの支援現場見せて上げると。
親もいない移民だから言葉も言えないそういう子供たちを
24時間365日ホント親身になって支援してるんですって言われた時に、
 
自分の両親の仕事と同じだなと。
 
共同生活を通じてというやり方がたまたま僕の実家であり、
ソーシャルインベストメントというコンセプトであり、
かつこれから来るであろうというトレンドがあり、
更に今もそうですけど、
対人支援ってとても給料が低いじゃないですか。
若者支援分野でも30歳定年ってあって、
ご結婚されるかお子様が出来ると生活に支障が出るので、
泣きながら仕事辞めてく人一杯見てました。
 
そうすると何が足らないかっていうと経営が足りないと。
一生懸命支援するのも大事だけれど、
1年間で100人の人を支援出来る人を
1年間で100人雇用したら10000人支援出来るってことなので、
自分で経営をしてみるというのがつながりました。
 
大学編入が決まってたんですけど、
編入してもしょうがないんで帰って起業してみようかな
って帰国しました。なので向こうで勉強していたことは
直接起業と関係ないんです。
 
 
黒石
僕が学生さんと色々お話していて、よく聞く話があるんです。
何かというと、
自分で事業を立ち上げたいと思っているとは言っても、
何をやろうかまだ見つからないような方が
すごい多いと聞くんです。
工藤さんの場合たまたまヨーロッパの友達からメールがポロっと来てですね、
それを受けてドイツに行ってみて色々な気づきがあったという話ですけど、
そういった情報を得るための動きというのは
特別やっていらっしゃったこととかってあるんですか?
 
 
工藤
バイトしていた。
 
 
黒石
バイトしていたという所からその友達に出会ったということなんですか?
 
 
工藤
そうです。あったのかもしれないんですけど、
ネットがまだちゃんとなかったですし、
当時はまだ起業したいという訳でもなかった。
 
 
黒石
一方で自分が何か事業を立ち上げようと思っていて
アイデアを探しているんだみたいなことを対外的に発信している訳ではなかったと。
 
 
工藤
ないですね。
 
 
黒石
たまたまそこで工藤さんが囲まれていた環境というのが、
起業が前提となっていて、
周りの人から見ても工藤さんは来年位に卒業するだろうから、
何か事業プランを提案してやろうかみたいな
勝手に思っていた感じだったんですか、文化の違いというか。
 
 
工藤
どうなんですかね。
なんかよく一緒にやろうぜっていうお互いみたいな感じで。
本当にやるのかわからないですけど、
こういうアイデアあるからお前一緒にやろうよみたいな。
日本支社の社長にしてやるよみたいなことはよくあるんですよ。
とりあえず社長はいいけど何やんのって話なんですけど、
 
当時の友人だと、南米の国にコンドームを販売する会社を
やっていたり、在学中からIT関係の事業をしていたり、
赤ちゃんがなめても大丈夫っていうナチュラル殺虫剤を
展開していたりといろいろです。起業していないひとのほうが
多いと思います。
 
天然ナチュラルバグスプレー作った友達からは、
彼は日本に導入したいから規制とか調べろみたいな話があって
ある企業にアポイントとったりもしました。いろいろ規制とかが
あってうまくいかないという判断でしたが。
 
 
黒石
自分がやりたいというか、
立ち上げようとしているビジネスアイデアをあえて考えようとしなくても、
周りの人が毎日のように考え続けていて、
そういったことを立ち上げようとした時に
声掛けが普通にいくらでもあるっていう環境だった、
それでアメリカにいってたまたまそういうコミュニティに属していた。
 
 
工藤
僕はあの起業家タイプじゃないんですよ。
サッカー部では副キャプテンだったし、微妙でしょ?(笑)
 
 
黒石
サブなんですね。
 
 
工藤
そういうのもあるし、憧れの人って諸葛亮孔明だし、
なんかね起業家みたいなタイプの人がいて、
山をとにかく掘っていく人間の後ろにも、
補強をしたり、みんなが通れるようにトンネルをちゃんと作る人間は絶対必要で、
どちらかというとそっちの方が向いていると思います。
たまたま、もしかしたら結果として起業したのは、
自分でその補強しなきゃいけない。補強をしていく、
社会課題を見つけて、手探りでも穴を掘って、補強もするような人が求められているのだとしたら
僕の性格が性質がドンピシャにあったのかもしれない。
僕起業家気質の人がすごく好きで、単純に凄いなと思いますし
年齢に関わらず応援したくなるんです。
 
自分でやる気はあんまりないというか、そういう起業家の
友人の近くにいると、向いていないと思うわけです。
 
 
写真 5
 
 
■あえて計画的に作った偶発性がどこかで役に立つことがある。  

 
 
黒石
とはいえ取り組んでいらっしゃると。
今みたいな感じで、工藤さんの場合は
アメリカに行かれてたまたま台湾人の方と出会われて、
素晴らしい環境を得たのかなと思ったんですけど、
そんな工藤さんが学生時代を改めて振り返って見られた時に、
学生時代に、これをやっておいてよかったな、
これをやったことが今に繋がってるなぁということはどんなことがおありなんですか?
 
工藤
リベラルアーツをちゃんと勉強するべきだったなと、
いわゆる一般教養でこの資料にもあるんですけど、
大学時代、特に日本の大学時代は経済資本に寄りすぎていて、
バイトでいくら稼ぐかが楽しすぎたので、
そこに殆どの時間を投入していたと。
 
何が文化資本か、一般教養なのかというのは難しいのですが
このような場に出ることもなかったですし、とにかくアルバイトしていたなと。
 
経済資本と文化資本と関係資本と3つの資本の中で
学生時代は経済資本に一番寄らなくてよかっただろう時代に
楽しかったから寄ってしまった結果、
大学で友人あんまりいないみたいな感じで。
 
さまざまな関係資本を構築するための文化資本、一般教養、知識や経験。
例えばいろいろな書物に触れてみるとか、日本中の街に行ってみるとか、
教養が今もすごく足りていないので、
後悔はしてないけど、そこに時間を割くことがなかったなと、
取り戻すことは難しい時間だなというのがありますね。
仕事と子育ての隙間時間で少しずつやっています。
 
 
黒石
学生時代にやっておけばよかったということですよね。
 
 
工藤
重心をそっちに置いておくべきだったと、
海外に出たら日本人の代表、こういう世界でも
すごく素敵なひとたちに会うと、
教養や見識、歴史など、物事を考え、判断するためのものが
が足らなすぎて話について行けないんですよね。
そういう所を学生時代にやっておけばよかったなって思いますね。
 
 
黒石
ちなみにより具体的に教えていただくと
どんな感じなんですか?文化資本と言われているものは。
 
 
工藤
文化資本って非常に広い意味で使っていますので、これというのは
ないのですが、例えば、読書で言うと、確かに読書はしていたのですが
日本文学とかシェイクスピアとかドストエフスキーとか、あとは
歴史を考察するようなもの、学術系のものをまったく読んでいなかったので
当たり前にそのような話が飛ぶようなところでは置物になってしまうんです。
知識より知恵だっていうのはホントそうだと思うですけど、
知識がない部分っていうのは文化資本が不足していることをすごく感じます。
 
 
黒石
それは海外の中で関係資本とかありますけど
それは起業家さんとかのコミュニティとかに入られるにあたって
世界で活躍されていらっしゃるような起業家さんっていうのは
そういった知識も全部持たれていらっしゃる、
というよりかは世界に出ると起業家、普通の人問わず
文化についてかなり知っているということなんですか?
 
 
工藤
共通言語をどこまで持てるかということだと思うんですよね。
僕は新婚旅行でたまたまクロアチアとギリシャとトルコを回ったんですけど、
それで僕は結構サッカーが好きだったので
クロアチアの過去の代表選手言える訳なんですけど、
結構マニアックなそういう言葉を発しているだけで仲良くなれる。
 
サッカーとワインと音楽を突き詰めると世界中の人と友達になれる。
世界中の人のなかで好きなひとが大きい分野、
別にサッカーやワインでなくてもいいんですけど、
こう一番最も多い人口を持っている分野に精通していると、
ある分野に行ったときに困らないんですね。
言葉が同じなので、単語名詞とか。
そういう意味で広い知識や教養と。
どこでも通じる興味分野みたいのを深めるっていうのは、
どんな状況でもあんまり困らない
っていうのは学生時代にやっておけばよかったかなって。
 
 
黒石
逆にやっていて良かったことは
 
 
工藤
学生時代にやっていて良かったことはそうですね、
やってみたいと思ったことは基本的にかなりやった、
いや、やらせてもらったと思います。
留学しようと思って留学したし、
あそこ行こうと思ってあそこ言ったし。
 
二つ目はやろうと思わないこともやってみたことを今でも大切にしていて
人間って絶対主観が入る。日本中どこ行ってもいいって言われたら、
自分で選ぶわけじゃないですか。
それをこう。自分が主体的にやっていることを排除して
選択肢をつけてやってみようというのをやっていて、
 
例えば日本人でどこか行きたいなと思って後ろ向いて、
どこか当たったとこに行ってみるとか。いまはあまりやれてないですけど。
 
本屋さんに行った時になんとなく
上から四番目の右から三番目の左から五番目の本は絶対買うとか。
 
当然、興味がない本に当たることが多いので途中で辞めるんですけど、
主体的に選んだら絶対に行かないようなところを
強引にでも行けるように自分ルール作ってやったのはすごくよかったと思いますね。
 
 
黒石
それは何をきっかけで始められたんですか?
 
 
工藤
わかんない。(笑)
本とかもですね、面白いって言われた本はなるべく
読んでみるようにしています。自分にとって面白くないときは
途中でやめますけれど、まずは手に取るようにしています。
 
自分が興味なくても。あまり自分の主体性とか主観を大切にしてなくて、
言われたことをやってみてその中で主体性を育んでいくほうが
より色んなことに視野が広がるかなぁ、
これ学生の時から何故かやってたんですよね。
 
 
黒石
ちなみに、それがやってよかったという所でいうと、
今にどんな感じにつながっていらっしゃるんですか?
 
 
工藤
日本のいろいろなところで講演させていただくこともあるのですが、
行ったことある場所とかがあると昔ここ行ったんですよーとか言えたりとか、
全然関係ない分野の人と、
いつ起こるかわからない偶発的な出会いに対してそういう、
あえて計画的に作った偶発性がどこかで役に立つことがある。たぶん。
 
 
黒石
とにかく先ほど仰っていた
関係資本を充実させるために文化資本を蓄積しようの中の1つ。
 
 
工藤
そう、そこは繋がっていると思うですけど。
経済資本はあとでいいかなって。もちろん生活は生活として
お金もかかるのですが、経済資本を高めることを最前線に
置かないというか。
 
 
写真 4 (9)
 
 
■「行動の全てが手段」というビジョナリーな姿に惹かれた  

 
 
黒石
という所で色々お話伺っていると
あと30分位になって、このまま話していてもあれなんで、
皆さんからご質問を受ける時間に入っていきたいと思うのですが。
後30分あるんでご質問されたい方はドシドシ、
我こそはという方から、はいどうぞ
 
 
学生
すごい興味深い話をありがとうございました。
僕がお伺いしたいのは経歴の所で、
日本の大学辞められて、アメリカの大学進まれてという所なんですけど、
個人的には日本の大学にあまりコミットしていなかったというのは
あまりご縁がなかったからという話は聞けたと思うんですが、
海外の大学、アメリカの大学に対しては熱い想いを感じられた
それはその台湾の学生さんが自分の家族の為であったりとか
そういった彼の姿を見て自分の中の気持ちが動いたというお話だと思うんですけど、
その彼の姿の中のどういった部分がもっと具体的に知りたいなと、
どういった部分がお気持ちを動かしたのかと、
もう少し詳しくご説明いただけたらと思います。
 
 
工藤
ありがとうございます。
今だからこそ振り返って言うと
そういう彼らの生き方のビジョンに触れてしまったから、
勉強手段、アメリカに行くことも手段
そこでグリーンカード取ることも手段。
目指しているゴールは家族の安全だと思うんです。
そういう、いまから振り返ると学生レベルかもしれないけど、
そういう人とあまり出会ったことがなかったので、自
分のゴールだと思っていることが全部手段だという人に出会って、
初めてその人たちと一緒にいないといけないと思ってしまった。
もしかしたら日本でそういう人に会っていたら
アメリカに行く必要もなかったかもしれませんが、
 
企業とか起業するとビジョンはなんですか?
ってよく聞かれるんですが、
企業っていうのは個人の集合体であるから
個人がビジョンをもてるかどうか、
共感できるかどうかだと思うんですよ。
もしかしたらNPO的な経営とか運営を選んだのは
彼らの言うビジョナリーな想いにあの時点で
18の時点で19の時点で触れていたことが
もしかしたら大きな転機だったのかもしれません。
 
 
質問 1
 
 
■どう、100人もの仲間を集めたのか  

 
 
黒石
ということですが、何か他にもご質問があれば
 
 
学生
貴重なお話をありがとうございました。
今、100人程の仲間と一緒に社会問題を解決されていることは
素晴らしいと思うんですけど、
そういった仲間が集まってきた一番の秘訣といいますか、
キッカケといいますか。
なぜあなたを選んだんですかという。
 
 
工藤
いま、僕は人事権と財務執行権を外しているので、
何も持っていないんですよね。
採用のプロセスと決断にも入らない。
 
これは結構僕の理念で人って人事とお金を抑えると権力者になれるんですよ、
当然ですけど。両方外して経営できるのかなと思っていて、
 
初期の頃はこういう分野で食べれなかったので、
類似分野の友人や同世代に声をかけて、一緒に活動して
もらうようにしていました。
最初はそのヘッドハンティングみたいな形で集めて行ったんですけど、
いまは採用におけるアイディア出しには加わりますけど、実際の
採用プロセスに関与することはほとんどありません。ほとんどないというのは
いろいろな事情で関与する可能性がゼロではないということですね。
 
 
学生
NPOの哲学に共感した人が入ってきたという
 
 
工藤
どうなんですかね。(笑)
若い人とか子ども達に自分の価値を提供したい人って少なくないと思います。
素晴らしいことです。
 
でもそれで生活ができるかというと
選択肢はとても限られてくるので
そういう問題にコミットしたいから来る人も中にはいると思うので
必ずしもビジョン共感が前提とは言い切れないように思います。
 
 
学生
ありがとうございました。
 
 
黒石
今は多分それ位の規模になられたから、
そういう形になられていらっしゃると思うのですが、
NPO最初に立ち上げたときにどうされたのか。
 
 
工藤 
1人でやった。1人立ち上げやりましたよ。コアとなるメンバーいないんですよ。
 
 
黒石
そこからは同じような形でどんどん広げられたと
 
 
工藤
二人目の事務局長のはちゃんと選びました。
僕より10以上年上の人、
若いしNPOだと頼りなく見えるので、当時はいまよりももっと
NPOって怪しい存在だと認識されていたと思います。
 
自分よりすごい年上の人が部下につくってすごい大変なことだと思うんですよ。
外から見ると、それを体現しようと思ったので、
事務局長2番目の初めての社員ですけど
僕23だから35で子ども2人いるのにNPOに転職してきた12個上の男性。
いまの僕とほとんど同じ年齢、状況です。
そこはもしかしたらビジョンとかに共感してきてくれたかもしれない。
 
 
写真 4 (11)
 
 
■万全な準備が迷わず意思決定するコツ  
 
 
黒石
はい、ではどうぞ
 
 
学生
僕は将来やりたいことが決まっていて、
今後それをどのように解決していくかがまだ決まっていないのですが、
どういう事業をやろうかというのはどういう風に決めたのでしょうか。
 
 
工藤
NPOって顧客が2人以上いるっていうことなんですね。
この水を飲んだら元気になれる水を開発したとします。
これ1000円です。
それだったらみんなホントに買ってくれると思う。元気になるから。
科学的な裏付けもあって、皆さん買ってくれて、
友達に紹介するとみんなが買うから
800円とか600円に価格が落ちていく。
 
でも僕が本当に飲んで欲しい方には
お金が払えない方も入っている可能性もあるんですね。
経済的に厳しい方からは100円だってお金が頂けないかもしれない。
つまり一般的な商いというのは
第一顧客であるこの商品を欲しい人とお金の払い手が
ほぼイコールだと思うんですけど、
特にNPO活動においてはこれが変える人がお客さんであると同時に、
買えないお客さんの人もいるので、
買えないお客さんのためにお水を提供させていただける人も探さなければいけない。
 
第二顧客が誰かっていうと1000円の商品を
目の前の方に上げることにたいして、
この1000円をくれる人ですね。
誰かが替わりにしてお金を払わなければならないので、
困っている人の中にお金が払える人払えない人が出てくるので、
払えない人の為に資金を頂戴する。
特定個人とは全然関係の無い人から。
 
 
学生
ありがとうございます、偏見かもしれないのですが
僕が所属している団体は自己満足というか、
あまり成果を追求しない所なんですけども
その点お金が成果として生まれない中で、
成果を出すために気をつけてる部分とか、
目標を設定してる部分とかありますか?
 
 
工藤
少し極端に言うと、
支援事業なんで支援に集中する人と
お金を稼ぐという人を全体像として分けるということと、
適正で分けるということも、方法論としてありだと思います。
支援したいっていう人は支援したほうがいいし、
マーケティングやりたいっていう人はマーケティングやったほうがいいし。
 
現状としては分担、分業が難しいこともあると思いますが、
そもそも分担していくのがよいのかそうでないのかが、アイディアとして
あるかどうかも大きいと思います。
 
 
黒石
他に何かご質問ございますでしょうか。
 
 
学生
お話ありがとうございます。
僕も将来やりたいことが決まっているんですけど、
僕も夏に海外に行こうと思っているんですけど、
行くということに対し決断を自分で決めなきゃいけないと思うんですけど、
その色んな海外経験とかをしてきた中で、
決断したときの迷いとかってあったりしたんですか。
話聞いているだけだと自分の勢いだけで、
行くぞ行くぞと言っている様に感じたんですけど
 
 
工藤
そうですね、あまり決断はないんですけど、
やりたいと思ったらやりますし。でも準備はしますよ。当然。
 
 
学生
迷いとかはないんですか。これは本当にやっていいのかとか。
 
 
工藤
僕ですね、背水の陣で望むのは結構嫌いなので、
例えば大学行く時も4年間一応大学行かせてもらうわけですけども、
途中で二年でやめてアメリカいきますよね、
で、二年分のお金が残っている筈なので、
1年間でアメリカで挫折したらもう一度大学に戻れる可能性を模索したり。
起業するときも僕が進学するはずだった大学って
八年間は戻る権利があると聞きました。
 
そうすると、日本で8年間事業をやって潰れてもに戻る権利があると。
それで帰って起業するときも、もしだめだったら大学に戻れるんだと。
 
情けない話かもしれませんが、常にリスクヘッジをしながら調整していくんで
僕は背水の陣で臨むことは個人的に好きじゃないですし、
余裕ない状況の決断とか迷いが生じたりとか間違えるんで、
海外に行くときもちゃんとした準備をしておきたいと。
 
 
学生
選択肢を多く持っていてほうがいいみたいな。
 
 
工藤
そうですね、
ここだけだったらどうしようみたいな。
迷いなく道を突き進めると思います。背水の陣は厳しいです。
 
 
学生
ありがとうございます。
 
 
黒石
お話を聞いているとサラっと意思決定されている様に聞こえつつも、
実はかなり周到な準備をされていたということなんですね。
 
 
工藤
そうですね。何かトラブルあったら嫌ですし、
海外とか怖いじゃないですか。(笑)
お財布はちゃんとここに入れないとか。
ちゃんとそれは調べてから行きますよ。
 
 
質問 2
 
 
■関係が緩い友人がキャリアを決める手助けに  

 
 
 
黒石
という感じで、
今日はサラサラサラという感じでお話頂いたと思うのですが、
その裏に色々なものがあると思うんです。
是非他にもご質問があれば挙手いただけたらと思います。
 
 
学生
今日は貴重な講演ありがとうございました。
私たち学生はキャリアを歩んでいく上で意思決定をしなきゃいけないじゃないですか、
例えば就職したら仕事を持てるのか、
それともほんとに自分がやりたい仕事をやって。
お金関係なしに自分のビジョンを追い求めていって、
夢を追い求めていくといった色々な選択肢があると思うんですけど、
こういう選択肢を知るときに
自分にここをこういうふうに問いかけてみるといいよみたいなアドバイスをお願いします。
 
 
工藤
やりたいことだからやるっていうとこまで
いってなかったりするとかあると思うんですけど。
よく言われるのは明日死ぬんだったら
その選択後悔しないのかみたいなのありますよね。
昔は嫌いでしたし、いまもそんなに好きな言葉では
ないんですけど、
 
やっぱりその、僕は東日本大震災が起こった後
色んな形で関わらせてもらったんですけど、
現地の方のお話を聞いた時に、なんか定年した時に
世界旅行しようと思ったんだよね、おばあちゃんは。
みたいな話を聞くと、やりたいと思ったことはやっていきたいなと思います。
 
それを阻害しているのはやっぱり周囲目とか応援が得られるとか、
嫌なこと言われないかとか、その一方で自分のイエスマンではない
良質な関係資本やコミュニティを学生時代に作っておくと
勇気が出やすいと思います。
 
 
学生
ありがとうございました
 
 
写真 1 (5)
 
 
■起業するとき必ずしも引っ張っていくリーダーシップは必要ではない  
 
 
 
黒石
次位で最後に
 
 
学生
興味深い話をありがとうございました。
端的に月に25万円稼がれたってことに興味がわいたんですけど、
バイト何されていたのですか?
 
 
工藤
週2回はコンビニをやるんですね。
10時から翌朝9時まで働かせてもらえたので
1日1万円それで8万1ヶ月でですね。コンビニは朝までなんで
それ以外の夜は11時から3時まで地元のラーメン屋さん
これが1100円位だったので。
 
ホテルで政治家がパーティーしたり、企業が忘年会をしたりするときに
配膳役となるアルバイトもしてました。請負型だったと思うのですが
どこそこで、何日間、この時給で仕事があるから行かないか?
という電話がかかってくるんです。
 
時給1610円とかで1日12時間とか普通に働かせてくれたんですよ。
月収25万円があるんじゃなくて、
5万円~10円のお給料が5回あるっていう。
そうやってこう時間を大切にしてとにかくバイトをしていたっていう感じで。
 
 
学生
スキルを付けるというよりは、とにかく稼ぐということに注力されていたのですか?
 
 
工藤
時給を上げることに、なので、まあしょうもない話ですけど、
この職場で一番仕事が出来ることが
時給を上げることが出来る決済権を持つ人間が決済しない場合ってあると思うんです。
自分の好きな人間の時給を上げるみたいなこともありますよね。
そういうのはどうするかっていう、
その人の好きになりそうなタイプを演じるとやっぱりあがるとかですね、
フィールドワーク的なこともちょっとはやってみたりですね、
人間って面白いなって思ったという感想ですね。
 
 
学生
楽しみながら仕事をされてたんですか?
 
 
工藤
お金自体稼ぐことにあまり意味がなくって、
どうしたら自分の価値を図るお金っていうのがある職場の中で上がっていくのか
ということを本当に知りたかった。学生だったというのが大きいのですが
どこかでRPGみたいな感じでした。雇用者からすれば何か思うことも
あったのかもしれませんが、そんなところまで考えるようなこともなかったです。
 
 
学生
ありがとうございます。
 
 
黒石
はい、ありがとうございました。
あの僕一点だけ最後にご質問したかったんですけど、
今まで、QAGOのイベントにこられた起業家さんって
結構どんなタイプかというと、声がすごい大きくてですね、
どんどん喋っていくと前に出ていくような人が多い中で、
今日今までと比べると、工藤さんにとっては失礼ことだと思うのですが、
どちらかというと落ちるついていらっしゃる方で。
 
 
工藤
副キャプテンですから。(笑)
 
 
黒石
いえいえ。(笑)
そしたら改めて振り返ってみると、
今取り組んでいらっしゃる事業内容から考えると
お客様になるような方と接される時に
すごいオラオラ系だとひいちゃうんですよね、きっと。
だからもともと副キャプテンだということもあるかもしれないんですけど。
何が聞きたいかと言うと、自分の中で事業を立ち上げたいと思っている方の中には、
自分はオラオラ系じゃないし声も大きくないし
とは言っても自分で事業やってみたいと思っている方も
沢山いらっしゃる様に感じていてですね。
逆にそれが、副キャプテンでいらっしゃることが強みになる
そういう事業領域にいらっしゃるのではないかと思っているのですけど。
そういったことが強みになっていることってお有りですか?
 
 
工藤
多分、一定程度の社会問題とか社会課題を解決しようと思ったときに、
強烈な組織だけで何か起こすって難しくて、
問題を構成する要因ってすごい複雑で、自分ひとりでは無理なので、
エコシステム作らなきゃ絶対できない、
 
例えば企業の力を借りる、
行政の力を借りる、
皆さんの力を借りる、
そういう生態系を作りながら解決していくとなると、
必ずしも引っ張っていくようなリーダーシップは必要ではなくて、
 
少なくともご提案するときとか
一緒にやりましょうっていうときに
相手の立場と相手のメリットを提示したりとか調整をしていかないと
エコシステムとかはできないので。
 
 
黒石
ビジネスの業界で勝ち負けの中で生き抜いていくというよりは、
社会課題を解決するために色んな人と力を合わせて
仕組みを作っていくというという仕組みの中では、
オラオラ系というよりもみんなと調和してやっていくタイプの人の方が強みになると。
 
 
工藤
オラオラ系かどうかわからないですけど、
絶対条件ではないと思います。もちろん、調和してやっていくのもまた
条件ではなく、自分にタイプによるのではないでしょうか。
誰か1人でも損をする人が出ると生態系が壊れてしまうので、
入ってきた人が全員がベネフィットをメリットとかデメリットとかとれる
常にアイデアを創出することがとても重要な素養だと思います。
ありがとうございました。

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