学生起業家情報
2019.01.12

起業家と、損失回避の不安との関係

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金沢大学 特任准教授・「渋谷で教える起業先生」(毎日新聞出版)の著者 黒石健太郎です。
起業を考える学生を対象にビジネススクールを運営しています。

仕事柄、起業をオススメする書籍や講演など情報に接し続けていると、ある違和感にぶつかる。

それは、「会社員よりも起業家の方が、圧倒的にコスパがいいのに、結局ほとんどの人が起業なんてしない」という事実だ。

(参考)起業することの価値については、下記参照
▼学生起業の5つのメリット▼
https://willfu.jp/gakuseikigyou/gakuseikigyou_merit/

▼起業って、楽しいの?起業家の満足度とその内訳を徹底分析!▼
https://willfu.jp/gakuseikigyou/kigyo_manzokudo/

日本全体で見ると、起業家の比率は3%、学生で起業している人など0.3%しかいない。

僕の仕事は、その結果がなぜ生じるのかを考え続けることであるが、最近は、ある構造の仮説に行き当たった。

「『損失回避の不安』を乗り越えられる人かどうかが、『起業家』とそれ以外を分けるのではないか」
「『思考』と『継続的勉強』が、『損失回避の不安』を乗り越える鍵なのではないか」

この2つの仮説である。

起業家になれない人が陥る、損失回避の不安とは?

ここで言っているのは、
「人間は『損をしたくない』という欲求が極めて強すぎるがために、結局、損をしてしまうという事象」を前提に、
「キャリア選択でも、同じことが起こっており、『損をしたくない』欲求が強すぎるがために、結局、起業できないのではないか」
という仮説である。

以下、説明したい。

ビジネスの鉄則は、「安く仕入れて、高く売る」ことである。

これは、全ビジネス共通の鉄則。八百屋をやるにも、人材サービスをやるにも、広告代理業をやるにも、Webサービスをやるにも、全て同じである。

しかし、ビジネス・投資の難しいところは、物事が想定通りに動かないこと。高く売れると思うから仕入れる、投資するものの、想定外に値下がりする、顧客がいなくて売れない事態が発生する。
この想定外のことが生じるというのは、当たり前のことなので、失敗でもなんでもない。そのこと自体は、あくまで想定の範囲内で当たり前のことである。

しかし、そこから失敗に至る際の、鉄板パターンは、
「損切りができない」
「利益確定が早い」
ことである。

「損切りができない」とは、仕入れた商品の値段が下がり始めた際に、「今、安売りしてしまうと損してしまう」と感じ、また値段が上がることを期待して持ち続けてしまう。結果、さらに値下がりして大損してしまうことである。

これは、投資関連の書籍にはどこでも書いてあることなので、読んだことがある方なら誰でもイメージがつくであろう。投資をやったことがある人であれば、全員、実感があるのではないだろうか。
また、アパレルショップや食料品店など、在庫を抱える事業を行う方もイメージはしやすいであろう。
同時に、Webサービスを提供する場合でも同じである。エンジニアを採用してお金をかけてサービス開発していた場合は特に、収益化ができないしユーザーがつかない場合であっても、サービス開発をずっと続けてしまうのである。

人は、損失が『確定する』するのを恐れるあまり、結局、大損をしてしまう。

「利益確定が早い」とは、仕入れた商品がもっと値段が上がる可能性があるにも関わらず、再度の値下がりや売れないリスクを想定し、早めに安く売り切ってしまうことである。

これも、同様に、ひとは、『損失を出す』のを恐れるあまり、儲けそこなってしまう。

この人間の特性によって生じる大損が、キャリア選択においても、生じているのではないかと考えた。

会社員やアルバイトの場合は、とにかく就職すると、給与がもらえる。教育途中のため、仕事に価値発揮ができていなくとも、先出して「給与」がもらえる。

一方で、起業すると、平均給与も平均資産額も期待値は引きあがるにも関わらず、「安く仕入れて、高く売る」という、ビジネスの構造上、「先に仕入れ」が発生してしまう。つまり、先出しで「損失」が生じるのである。

(参考)学生起業と、年収・資産との関係
https://willfu.jp/gakuseikigyou/gakuseikigyou_nenshu/

これらの選択肢を比較する結果として、リスクをとって生まれる収益よりも、「損失を出す不安」が大きく見え、会社員という選択肢で、利益確定を早まってしまっているのではないだろうか。

そこで、我々は、お金がかからない形で、起業をスモールスタートすることで、損失を出す不安を解消できるよとこれまで提言してきた。
しかし、その場合も、物理的な「お金」の損失はでないものの、「自分の時間」というコストを先出しで投下することになる。そうなると、その時間でアルバイトをした場合に得られる利益や友達と遊んでいた時に得られる楽しさという利益を失うことになる。そのような実質的な損失を出す不安感も大きく見えてしまい、結局、会社員という選択肢で、利益確定を早まってしまっているのではないだろうか。

損失回避の不安を乗り越え、起業家になるには

では、損失回避の不安に流されてしまう人間の特性を乗り越え、起業家になるには、どうすれば良いのであろうか。

一つは、『思考』である。

「なんで就職したの?」と問うと、多くのひとが、「なんとなく」「みんな就職してるから」「学校を出ると、就職するものだと思っていた」などの回答が返ってくる。

しかし、不安感を優先してしまうのが人間の特性である以上、『なんとなく』『感覚的に』意思決定すると、損失回避を優先してしまう。結果、会社員という選択肢しか取れないのである。

では、どうすればその意思決定を回避できるかというと、自分の頭で『思考』
するしかない。しかし、人間の脳は、エネルギー消費を効率化することを大事にするため、基本的に新しい『思考』に対して、怠惰である。ついつい、これまでの考え方だけで『なんとなく』『感覚的に』『思考』してしまう。結果、これまでの意思決定と独立し、自分の頭で考えるということが極めて難しいのである。

では、どうすれば自分の頭で、独立して『思考』できるようになるかの鍵が、『継続的勉強』ではないだろうか。

ここで言う勉強とは、学校の勉強だけでなく、読書や経験の蓄積、ユーザー体験からの気づきなど、すべてのことからの学びである。

人は、ギャップを感じると、ギャップを埋めたくなる。結果、『思考』を始める。逆に、ギャップを感じないと『思考』しようとしない。では、どうすればギャップを感じられるかというと、自分の物事の見方を他の見方と比べて相対化できた時である。その新しい他の物事の見方をインプットすることが『勉強』である。

ビジネススクールに学びに来ていても、講師や周囲からのフィードバックを、斜に構えて遮断する人は一定数いる。同時に、新しい視点を得たと、『勉強』し、自身で『思考』を始める人もいる。

この謙虚な『継続的勉強』を通じた、『思考』の深まりが、自律的な意思決定がを促し、それができるようになると、損失回避の不安を乗り越えて起業できるようになるのではないかと考えた。

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