起業の基礎知識

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大企業就職とベンチャー就職と、起業との関係とは

金沢大学 特任准教授・「渋谷で教える起業先生」(毎日新聞出版)の著者 黒石健太郎です。
起業を考える学生を対象にビジネススクールを運営しています。

就活支援会社や採用に困るベンチャー企業が、「起業したいなら、ベンチャーに行って裁量権アルバで働くべきだ」とポジショントークを繰り返すため、起業を考えている大学生に、どこに就職すべきか混乱してきたと、相談されることが多々あります。

そこで、そもそも、起業を目指す学生が、大企業に就職すべきなのか、ベンチャー企業に就職すべきなのか、過去の事実に基づいて整理してみました。

1:起業家の、大卒時の就職先とは?
2:なぜ、上場起業家は、大企業出身者が多いのか?
3:起業するには、どんな就職活動をすべきなのか?

起業家の、大卒時の就職先とは?

過去、マザーズ上場起業の創業社長について、大卒時のファーストキャリアでどこに就職していたのかを一覧で調べたことがある。
その際の概要をまとめた記事は、下記をご覧いただきたい。

↓起業につながる就職先とはどこか!?↓
https://willfu.jp/willfulab-3/syusyokusaki/

当時の一覧表を見ていると、出てくる就職先は、アクセンチュア、リクルート、博報堂、トーマツ、野村証券、ジャフコ、東芝、日産自動車など、堂々たる大企業ばかりであった。
当然、社名自体は知られていない会社出身の方もたすういるものの、従業員数数人の会社に就職して上場起業家になっている人は見つけられなかった。

定量的なデータ、事実から考えると、起業家になるためには、ベンチャー企業に就職すべきという事実は見つけられなかった。どちらかというと大企業に就職した方が起業にはつながるのではないかとも考えられる。

なぜ、上場起業家は、大企業出身者が多いのか?

では、なぜ、上場起業家は、大企業出身者が多いのであろうか。
仮説としては、以下の3点が考えられる。

①優秀な人でも、出世の頭打ち感を感じやすい

まずは、起業を目指すような上昇志向が高い人間にとって、「会社から出て、独立しよう」というインセンティブが働くのは、「この会社にいても出世の見通しが立ちづらい」「やりたいことができない」という実感を感じたタイミングが最大かと想定される。

大企業の場合は、全社的な従業員数も多く、同期入社のメンバー数も多い。にも関わらず、社長・取締役の数は、ベンチャー企業と比べてほとんど変わらない。結果として、大企業では、10年ほど働くと、出世競争の見通しが立ってしまうのではないだろうか。また、採用力が高いが故に、同期メンバーも優秀な人間が多いため、優秀なメンバーですら、頭打ち感を感じてしまう可能性が高いということがポイントである。

一方で、ベンチャー企業の場合は、採用力も低いため、同期のレベルも高すぎず、出世競争の人数も少ないため、頑張れば出世しやすい。結果として、役員として長期間所属する人が多くなるのではないだろか。

②前職ブランドで、資金調達・採用・情報収拾が容易に

また、独立後、必要な経営資源を調達しようとした場合においても、集めやすくなることが想定される。

例えば、投資家から資金調達を実施しようとした場合、当然ながら事業計画書も評価されるものの、実行推進力・突破力・やりきる力を投資家は見極めようとする。コミュニケーションを通じたやりとりだけでは、見極めきれないため、過去の実績で評価せざるをえず、結果的に前職でどこでどんな仕事をどれくらいんのレベルでやりきっていたのかを見ることになる。
その時に、大企業出身者の方が、実績が理解されやすく、資金調達可能性が高い。

また、新メンバー採用時も同様である。前職の職場に優秀なメンバーがいる可能性も高く、そこから引っ張りことの容易さもあれば、求人情報を見てきた転職者でさえもわかりやすい経歴で判断する可能性は高い。

また、最先端の業界情報を収拾しようとした際も、大企業で働いていた同僚やネットワークを踏まえると、膨大な情報源にリーチができる可能性が高い。

③見ている目線が、大企業レイヤーに

最後に、経営者が目指している目線によって、会社がどこまで大きくなるかどうかが変わる。その前提に立つと、大企業で働いた経験がある人の方が、大きくなっている会社の状態を想定しやすく、目指すゴールを描く際に、大きな絵を描きやすいのではないだろうか。

起業するには、どんな就職活動をすべきなのか?

では、起業するには、どんな就職活動をするべきなのだろうか?
ここまでの議論を見てくると、「大企業に行くべき」とお感じになるかもしれないが、2—①の理由を踏まえると、止むに止まれず起業という選択肢をとっている印象もある。大企業は起業しないと楽しく仕事できないから起業しているだけとも考えられる。であれば、そもそも行く必要がないであろう。

元から、「起業する」という意思を持っているのであれば、何を学びたいのかを明確にして就職すべきではないだろうか。

「小さな事業であれば、自分でもやったことがある。大きな事業組織を運営する力を身に付けたい」という話であれば、スタートアップに就職しても意味がないであろう。であれば、一定規模の組織に就職すべきであろう。

「事業開発を、自身のお金でやるほどの自信がないから、会社のお金で事業開発に多数携わりたい」という話であれば、リスクをとった事業開発をスピーディな意思決定スピードでできる会社に就職すべきであろう。その場合は、売上数千万〜数十億円くらいのベンチャーではないであろう。この規模であれば、リスクをとる余裕がないため、社長が考えた新規事業や既存事業の延長線上のことしかできない。一方で、売上数千億円〜数兆円の会社であれば、意思決定スピードが遅く、スピーディな検証はできないであろう。すると、売上数百億円規模で、利益率が高い会社で、なおかつ既存事業が頭打ちになり、新規事業を開発せざるをえない会社に就職すべきではないだろうか。

このように、自身得たいもの、身に付けたいものによって、どんな会社に就職すべきかは大きく変わってくる。就職活動の方法を検討している方は、目的から考えてみてほしい。

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