エス・エム・エス（東証一部上場）創業者の諸藤氏が率いるベンチャービルダー
REAPRA Venturesの川野真太郎氏と、
先日投資が決まったWILLFU STARTUP ACADEMY33期卒業生の宮入宇秀さん（慶應義塾大学3年）とのトークイベントを開催。
REAPRA Venturesの川野真太郎氏が、学生起業家にとって最初のハードルである”事業領域の選び方”について語ってくれました。
■「やりたいこと」なんて見つからない■
期限を切ったら取り組むべき領域が見つかるかというと、そうではない。
「自分のやりたいこと」を考えていくと、迷子になりやすい。
そうではなく、単純に「寝ても覚めてもやっていられることは何か」と考える。
「情熱」とかは、幻想であって、「行動」こそが現実。
「行動」のあとにコミットメントが生まれる。
「情熱」や「やる気」は、一連の「行動」にラベルを貼ったものにすぎない。
結果に関わらず、やり続けられることができることがいい。
没頭していて、気が付いたらすごい時間が経過していたよ、という感じ。
また、誰もに共通する答えはなく、起業家自身が自分を知ることが大事。
過去を振り返って、没頭してしまっていた行動は何か、そこに共通するものは何かを言語化すること。
その内容の正誤は大きな問題ではない。納得感さえもって始めることさえできれば、また原点に立ち戻ることもできる。
また、事業を進めていく中で学習が進んでいくし、情報量に比例して興味も深まっていく。
■あえて「複雑なマーケット」を選ぶ■
マーケットを選ぶ際の条件は、以下の3つに決めている。
・構造が複雑で中小事業体が多く、市場規模も一定のサイズがあり、今後最低20年くらいはなくならない
・既にスケールしたプラットフォーマーがいない。もしくは棲み分けが可能
・ITの文脈を生かせるビジネス。早く事業価値を高めることができる
たとえば、今、産業廃棄物処理の領域をやっている起業家に投資している。
メガプレイヤーがいなくて、若くて優秀な人があまりやらないので競合もしにくい。「業界が儲かってなさそう」「チャンスなさそう」と思われがちだが、ちゃんと調べると、市場規模は大きく、中小企業が多い。
■「思い入れがある事業」はいらない■
事業領域を決めたら、参入事業をすぐに決める。
まずは小さくても価値を発揮しやすいビジネスを立ち上げることから始める。
たとえば、産業廃棄物処理業界の例でいうと、トラックドライバーの人材紹介事業からスタート。
実際にやってみると、履歴書をわざわざ手持ちで持ってきてくれるくらい、IT化が遅れている。
一般的なITの知見でも、大きな競合優位になる領域だと感じる。
最初の事業に深い思い入れがなくてもまったく問題ない。
まずちゃんとお金を稼ぐことを最優先にして事業をやっていれば、領域について詳しくなれる。
たとえば、トラックドライバーの採用ニーズから、採用の背景にある経営判断を学ぶことができるし、従事者がどんな思いでやっているかが分かってくる。
入り方としては
EC／中古品市場／人材面での支援／業務効率化／費用削減／BtoBデータベースマッチング／プラットフォームの再構築・・など型を作り、ケースごとに当てはめている。
事業を立ち上げて、上場するくらいまでに持っていくには、すべてを計画的に進めることは難しい。
だからこそ、行動こそが最重要。ちゃんとお金を稼げる状況を作り、事業を運営していくことで、領域理解が深まり、学習できる。
その深い理解から、拡張性ある次の事業モデルが生まれる。
【参考】REAPRA Venturesとは
エス・エム・エス（東証一部上場）創業者の諸藤氏が率いるベンチャービルダー。
短期的なエグジットではなく、長期目線に立ち、
10年後に1000億円の企業価値に達しうる産業へ
長期投資・ハンズオン支援を実施するベンチャービルダー。
2018年6月より、WILLFU STARTUP ACADEMYと連携を開始。
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