学生起業の成功に偏差値や学部は関係なし!学生であることこそが成功の決め手
こんにちは。学生起業スクール「WILLFU STARTUP ACADEMY(ウィルフスタートアップアカデミー)」を運営する、株式会社ウィルフの代表で、金沢大学特任准教授の黒石健太郎です。
これまで、延べ10,000人を超える学生起業志望者と会い、1,500人を超える大学生の起業をサポートしてきました。私たちの学生起業スクールの特徴は、受講生全員が実際に事業を立ち上げることにあります。
この記事では、これまでサポートしてきた1,500人の大学生が、実際に事業を立ち上げてきた取組みを振り返り、学生起業に必要な適性を整理しました。
<目次>
学生起業の成功に偏差値や学部、年齢は関係ない
学生だからこそ起業しよう!
学生起業の成功に偏差値や学部、年齢は関係ない
前回の記事「学生起業の方法とは?何から始めるべきか具体的なやり方を解説します」にて、学生起業のさまざまなメリットや方法について述べてきましたが、自分の立場や状況を顧みて不安になることもあると思います。
実際に受けた質問の中から、解消できるものがいくつかありますので、データを用いて解説します。
偏差値が高い大学にいるかどうかは関係ない
起業を考える学生から、多く相談を受けるのは、「自分みたいな大学に所属している学生でも起業できますか」ということです。
結論としてはできますし、偏差値は関係ありません。
私たちの学生起業スクールWILLFU STARTUP ACADEMYでは、全員が受講中に実際に事業を立ち上げて、収益化に取り組みます。そこで、これまでの1,500人を超える受講生のデータを分析してみました。
具体的には、彼らが生み出した利益額の平均値を100と置き、受講生の所属大学ごとに平均値を比較したところ、このグラフのようになりました。サンプル数によるばらつきを減らすため、受講生が一定人数を超えている大学のみを抽出しており、大学の網羅性はありません。
100よりも右にグラフが出ている大学に所属する受講生は、平均よりも、多くの利益を創出していることになり、左側は利益が少ないことを示しています。
利益額上位には、関西学院大学や慶應義塾大学などがある一方で、日本大学や近畿大学もあります。反対に、利益額下位には、早稲田大学や東京大学があります。このデータを見る限り、学歴や偏差値的頭の良さと起業の成功確率は、相関しないといえるのではないでしょうか。
経営学部で学んでいるかどうかは関係ない
学生から「経営学部じゃないので、まったく知識がないのですが、できますか?」という質問もよくいただきます。
起業するには、経営知識をしっかり勉強しないと難しいのでしょうか。こちらも同じくデータを見てみました。データの見方は先程と同じで、100よりも右にグラフが出ている学部に所属する受講生は、平均よりも多くの利益を創出していることになり、左側は利益が少ないことを示しています。
学部の分類表現が大学によって大きく異なるため、ここでは大きく経済経営系学部とそれ以外の文系、そして理系の3つに学生を分類したところ、意外なデータが出ました。
経営経済系学部に所属する受講生の平均利益額が、最も低かったのです。
そして、経営経済系以外の文系学部の平均利益額が圧倒的に高く、次に理系の学生が利益を創出しているという結果になりました。
私が接点のある、受講生や学生から感じている印象として、経営経済学部系の人は、「自分は経営を学んできたので、いろいろ知っている」という自負から、プライドが高くなっているというものがあります。ですから、謙虚に現実から学ぶ姿勢が弱くなっているのではないかと考えています。
それよりも、知識ゼロから謙虚に学び続けられる姿勢のほうが大事そうですね。
学年が低いことや年齢の低さは関係ない
それでは最後に、年齢と起業には、有利不利はあるのでしょうか?
こちらも同じく創出した利益額のデータを、学年別平均で見てみました。データの見方は先程と同じで、100よりも右にグラフが出ている学年の受講生は、平均よりも多くの利益を創出していることになり、左側は利益が少ないことを示しています。
ざっと見た印象では、相関がないようにも見えますが、仮説を持って見ると次のようなことがいえるのではないでしょうか。
仮説としては、高校生や大学1年生のときから起業しようと考え、実際、起業に挑戦している人は、起業にあたって親の承諾をとるといった人を動かす力もあり、飛び抜けた行動力がある人です。そういったタイプの人は、起業でも成功しやすい可能性が高いでしょう。
一方、「生まれながらに持った人を動かす力や行動力」といった要素を除いて見た場合、年齢を重ねれば重ねるほど、起業の成功確率は上がっていく、ということではないでしょうか。ですから、データの上部と下部のグラフが伸びているというわけです。
私が知っている受講生の印象では、大学3年生から4年生など、就職活動を通じて社会と接点を持った経験がある人ほど、営業する際の心理的ハードルが低く、事業の立ち上がりが早いというものが確かにあります。
一方で、既卒・社会人の利益額がそこまで高くない理由としては、在学中から事業立ち上げに挑戦する推進力がある人と、社会人になってから「やっぱり会社って合わないな」と思って始めた人とでは、行動力・推進力が違うのではないかというのが印象です。
また、平均値ではなく、利益額の最大値を見てみると、さらに仮説が裏付けられるのではないでしょうか。
次の利益額最大値のデータをご覧ください。
平均利益額を100と置いたときに、大学1年生と4年生がその60倍もの、ずば抜けた利益を生み出しています。
元々、ずば抜けた行動力がある大学1年生と、就活を終えて社会についてのインプットを終えた4年生が利益を生み出したと推測できます。
学生だからこそ起業しよう!
最後に、「将来起業したいが、今すぐ学生起業すべきなのか、就職して経験を積んでから起業すべきなのか悩んでいる」という声をいただくことがあります。
この議論に対して、結論を出して締めたいと思います。
「学生起業vs就職してから起業」という議論については、上場まで至っている起業家について、どのタイミングで起業していたのかを分析し、下記のページにまとめました。
▼詳しくはこちら
「学生起業vs就職してから起業」どちらが成功しやすいか?
成功確率の観点で分析してみると、下記のとおりでした(成功の定義は人によってさまざまだと思いますが、ここでは起業して上場まで至ったかどうかで判断しています)。
1位 学生起業→就職→起業(成功確率0.7%)
2位 学生起業→そのまま起業(成功確率0.2%)
3位 就職→起業(成功確率0.001%)
結論としては、「在学中に起業経験を積んだ上で就職し、社会人経験を積んだ上で、再度起業すると、最も成功確率が高い」ということです。
そのため、どのタイミングで始めるべきかという問いに対しては、「在学中に成功・失敗問わず経験を積み、その上で、一度社会人経験を積んでから、再度挑戦するのがベスト」だと考えられます。
上記データの要因仮説としては、以下のように理解しています。
「在学中の起業経験は、成功・失敗を問わず起業への心理的ハードルを下げ、成功率を引き上げる」
リスクが低い在学中に起業経験を積んでおくと、起業することへの心理的ハードルが下がり、会社を辞めて起業する際も、心理的なハードルが低いままで踏み出せます。
また、在学中から起業して、そのまま成功する人は、天才的な一部の人だけです。
ただ、天才でなくとも在学中に起業経験を積んだ上で就職経験を持つと、経営者の目線で就職先の業務を分析することができ、スキルの吸収力が高くなります。結果として、その後に起業した際の、成功確率が上がるというわけです。
一方で、在学中に何の経験も積むことがなかった人は、就職してから起業する際に、そもそも心理的なハードルが高くて踏み出せないことが多く、確率論的にはほとんど起業しなくなってしまいます。
社会人になってから、会社を辞めて給与ゼロで成功確率が低いものに挑戦できるかというと、正直なかなか難しいでしょう。
だからこそ、在学中という、生活費を保護者に依存することができ、家族の扶養義務がない段階から挑戦を積んでいると、強みになるのです。
ぜひ、大きく考えすぎず、低リスクで挑戦できる学生起業からスタートしてみてはいかがでしょうか。
さらに詳しく知りたい人は、『渋谷で教える起業先生!』(毎日新聞出版)に記載しておりますので、ぜひご覧になってください。
なお、Kindle Unlimitedにご登録いただくと、無料でご覧いただけます。
疑問点などがありましたら、記事に追記していきますので、info@willfu.jpまで、お気軽にご連絡ください。
<著者プロフィール>
著者:黒石健太郎
2006年、東京大学法学部卒。株式会社リクルート入社後、新規事業の戦略企画、立ち上げに従事。2013年6月、起業に特化したビジネススクールを運営する株式会社ウィルフを設立、代表取締役社長に就任。サイバーエージェント主催起業家コンテスト「アントレプレナー・イノベーションキャンプ」優勝。2018年9月より、金沢大学 特任准教授。ほか、関西学院大学や近畿大学でも教鞭をとる。著書に『渋谷で教える起業先生!』(毎日新聞出版)がある。
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