【最新版】シニアが利用を検討すべき起業支援制度や相談すべき機関をご紹介!
シニアの方に知って欲しい起業支援制度や機関をご紹介!
こんにちは。
WILLFU Lab編集部です。
起業を志す方が利用を検討すべき起業支援制度は数多く存在しますが、多くの方が支援制度を使いこなせていない印象があります。
筆者も起業した後に、こんな支援精度があったなんて…と悔しがったことがあります。
そこでこの記事では、数ある起業支援制度の中でも特に、シニアの方にオススメの起業支援制度や起業支援をしてくれる機関についてご紹介します。
目次
シニアの方におすすめの起業支援制度3選
起業支援を受けたいシニアが相談を検討すべき機関や士業
詐欺には騙されないようご注意ください!
シニアの方におすすめの起業支援制度3選
WILLFU Lab編集部が考える、シングルマザーの方にオススメの起業支援制度は以下の3つです。
①女性、若者/シニア起業家支援資金
②生涯現役起業支援助成金
③創業支援等事業者補助金
それでは、それぞれの起業支援制度の詳細を確認していきましょう。
シニアにオススメの起業支援制度①女性、若者/シニア起業家支援資金
労働力人口の減少が懸念される中、日本経済の活性化のためには女性や若者、また高齢者等を含む多様な事業者による活発な開業が求められています。
近年では、趣味や子育ての経験を活かして新たなサービスを展開する女性や、IT等の先端スキルを持つ若者、あるいは長年の経験や特技を活かしてビジネスを行おうとするシニアの起業が注目されています。
女性、若者/シニア起業家支援資金とは、新たに事業を始めるか、始めてからおおむね7年以内の女性(年齢制限なし)、もしくは35歳未満か55歳以上の男性を対象として、日本政策金融公(*)庫が行う創業関連融資のひとつです。平成11年4月に創設されました。
ターゲットは上記要件に該当し、かつ金融業、投機的事業、一部の遊興娯楽業等でないことが必要です。
(*)政府が100%出資している公的金融機関
なお、上記の要件は、創業融資審査の申請者に35歳から54歳の男性が多い反面、女性や若者、また第2創業といわれるシニア世代のの創業者が少ないため、当該年代層の創業を支援していこうとの政策目的から設定されています。
こうした起業意欲のある女性や若者、シニアを支援することで、新規事業や雇用の創出を図ることを目的に創設された融資制度である女性、若者/シニア起業家支援資金ですが、融資金額や条件、手続きなどについて以下に解説していきます。
受給限度額と対象
融資限度額は7,200万円(うち運転資金4,800万円)、融資対象となるのは設備投資および運転資金となります。
貸付期間と利率
貸付期間は設備投資の場合20年以内(うち据置期間2年以内)、運転資金の場合は7年以内(据置期間2年以内)となっています。
貸付利率の詳細は次のとおりです。
(1) 運転資金及び設備資金:特別利率A(基準利率より0.4%引き下げ)
(2) 技術・ノウハウ等に新規性がみられる方の運転資金及び設備資金:特別利率B(基準利率より0.65%引き下げ)
(3)地方創生推進交付金を活用した起業支援金の交付決定を受けた方:特別利率B(基準利率より0.65%引き下げ)
(4)地方創生推進交付金を活用した起業支援金及び移住支援金の両方の交付決定を受けた方:特別利率C(基準利率より0.9%引き下げ)
なお、上記(1)~(4)に該当する場合でも、土地取得資金は基準利率が適用されます。
融資の要件
融資を受けるための要件は「融資対象となる年齢・性別かどうか」です。
このため、過去に取引実績がない、貸し倒れのリスクが大きいといった理由で民間の金融機関から融資が認められなかった中小企業者・小規模事業者でも比較的借りやすい融資です。
手続き方法
融資の手続きは、全国にある日本政策金融公庫の支店窓口で申請に必要な書類を一式揃えて提出します。
必要書類は次のとおりです。
(1)借入申込書
(2)創業計画書
(3)前年度の収入がわかる書類(源泉徴収票や確定申告書の写し等)
(4)身分を証明するもの(運転免許証、パスポート、写真付きの住民基本台帳カード等、公的機関が発行する身分証明書)
シニアにオススメの起業支援制度②生涯現役起業支援助成金
「これまで一生懸命働いてきて、気がついたらもう40歳になっていた。これからは今までのキャリアを生かして起業しよう」と考えている人にお勧めの助成金として、生涯現役起業支援助成金が挙げられます。
これは、生涯現役で働き続けられる社会を実現するために、年齢40歳以上の人の起業を支援することを目的とした助成金で、厚生労働省により平成28年4月1日に新設された支援制度です。
大まかな構成として、「雇用創出措置助成分」と「生産性向上助成分」があります。
前者は、中高年齢者(40歳以上)の対象者が起業によって自らの就業機会の創出を図るとともに、事業運営に必要となる従業員(中高年齢者)の雇入れを行う際に要した 雇用創出措置( 募集・採用や教育訓練の実施)に関する費用の一部を助成するものです。
後者は、雇用創出措置助成分による助成金の支給を受けた後、一定期間を経過して事業の生産性が向上している場合に別途生産性向上に関する助成金として支給されるものです。
雇用創出措置助成分の受給用件
(1)起業基準日(*)から起算して11か月以内に「生涯現役起業支援助成金 雇用創出措置に係る計画書」を提出し、都道府県労働局長の認定を受けていること。
(*)起業の開始時期の意で、法人は新たに法人を設立した日、個人事業主は新たに事業を開始した日(所轄税務署に提出する開業届に記載の開業日)。
(2)事業継続性の確認として、以下の4事項のうち2つ以上に該当していること。
a.起業者が国、地方公共団体、金融機関等が直接または第三者に委託して実施する創業に係るセミナー等の支援を受けていること。
b.起業者自身が当該事業分野において通算10年以上の職務経験を有していること。
c.起業にあたって金融機関の融資を受けていること。
d.法人または個人事業主の総資産額が1,500万円以上あり、かつ総資産額から負債額を引いた残高の総資産額に占める割合が40%以上あること。
(3)計画期間内(12か月以内)に、対象労働者を一定数以上(※)新たに雇い入れること。
※60歳以上の者を1名以上、40歳以上60歳未満の者を2名以上または40歳未満の者を3名以上(40歳以上の者1名と40歳未満2名でも可)
(4)支給申請書提出日において、計画期間内に雇い入れた対象労働者の過半数が離職していないこと。
(5)起業日から起算して支給申請日までの間における離職者の数が、計画期間内に雇い入れた対象労働者の数を超えていないこと。
生産性向上助成分
(1)支給申請書提出日において、「生涯現役起業支援助成金 雇用創出措置に係る計画書」における事業が継続していること。
(2)雇用創出措置助成分の支給申請日の翌日から生産性向上助成分の支給申請日までに、雇用する雇用保険被保険者を事業主都合で解雇していないこと。
(3)「生涯現役起業支援助成金 雇用創出措置に係る計画書」を提出した日の属する会計年度とその3年度経過後の会計年度の生産性を比較して、その伸び率が6%以上であること。
雇用創出措置助成分の受給額
起業時の年齢区分に応じて、計画期間内に生じた雇用創出措置に要した費用の合計に以下の助成率を乗じた額を支給します。
起業者が高年齢者(60歳以上)の場合:助成率は2/3、助成額上限200万円
起業者が上記以外の人(40歳~59歳)の場合:助成率は1/2、上限150万円
生産性向上助成分の受給額
雇用創出措置助成分により支給された助成額の1/4を別途支給します。
例:雇用創出措置助成分として100万円の助成金が支給されている場合には25万円を支給
雇用創出措置助成分における申請の流れ
1.起業:起業時に満40歳以上の人が事業を開始する
2.計画書の作成:助成金を申請する事業主が「雇用創出措置に関わる計画書」を作成し、管轄の労働局へ提出・認定を受けます。計画書の提出は助成金を申請する事業主が起業を開始してから11か月以内に提出する必要があります。
3.計画実施期間:12か月以内
4.支給申請:実施した計画が終了した日の翌日から2か月以内に支給申請に必要な書類を労働局へ提出後、支給審査が行われて支給・不支給が決定されます。
シニアにオススメの起業支援制度③創業支援等事業者補助金
創業支援等事業者補助金は、国からの認定を受けた市区町村の創業支援等事業計画に従って、市区町村と連携した民間の支援事業者などが行う創業支援に関する取り組みに要する経費の一部を補助することを目的として産業競争力強化法に基づき設けられた補助金で、新たな雇用の創出を促し、地域経済の活性化を図ることを目指しています。
この補助金は、地域の創業を促進させるため、市区町村と連携した民間事業者等が行う創業支援の取り組み(特定創業支援事業)と、創業に関する普及啓発を行う取り組み(創業機運醸成事業)に要する経費の一部を助成します。
この補助金はまた、平成30年7月9日に施行された改正産業競争力強化法で「創業支援等事業」と規定し、これ関する普及啓発を行う事業(創業機運醸成事業)も含めることとして策定されたもので、中小企業庁が運営主体となっています。
なお、この補助金の対象となる事業の実施に当たっては、国が行う補助事業と同様に『補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律』の規定が適用されます。
次に、今紹介した「特定創業支援事業」と「創業機運醸成事業」の2種の分類と定義について、一緒に確認していきましょう。
1.特定創業支援
創業に必要な基本知識である事業計画書の作成方法や宣伝広告、経営戦略や経営マネジメントを体系的に学ぶ継続的支援事業のこあり、創業支援の中では一般的なものです。
2.創業機運醸成事業
日本は欧州諸国と比べて、創業無関心者と呼ばれる層が多くいます。こうした層に働きかけて各地域で創業の動きを活発化させ、地域の活性化を目的として現段階で創業に興味を持っていない人々を対象にワークショップやビジネスプランコンテストの開催などを行う事業です。
補助金額
創業支援事業者補助金の補助率は補助対象経費の3分の2以内であり、補助額は最低50万円~最大1,000万円となっています。
補助対象経費
・人件費:市区町村創業支援事業計画の始期以降に雇用した人
・謝金:セミナー講師、相談対応専門家、講演者等
・旅費:講師、専門家、講師事前打合せの為の職員旅費等
・設備費:創業支援対象者が利用する為に必要なリースレンタル備品
・会場、事務所賃借料:コワーキングスペースやインキュベーション施設の事務スペース以外、セミナー等の会場借料等
・広報費:チラシ・ポスター・看板代、折込料、新聞掲載費、フェイスブック広告費用、のぼり代等
・委託費:複数事業者での申請の場合、代表者以外の事業者の利用する事業費
補助金申請の流れ
1. 認定申請
創業支援事業者補助金の補助を受けるには、まず認定申請を行う必要があります。
申請には公募期間内に以下の書式を記入の上、創業支援等事業者補助金事務局へ提出します。
①補助事業計画書(原本1部・写し1部)
②経費明細表(原本1部・写し1部)
③市区町村による確認書(原本1部・写し1部)
④創業支援等事業者補助金経費チェックリスト(原本1部)
⑤反社会的勢力ではないことの表明及び確約について(原本1部)
⑥市区町村による認定創業支援等事業計画の該当箇所の写し(2部)
2. 採択審査
提出された補助事業計画をもとに採択審査が行われます。審査を通過するには以下の項目を満たす必要があります。
①必要書類が漏れなくすべて提出されていること
②産業競争力強化法第127条第1項の認定を受けた創業支援等事業計画に基づき、市区町村と連携して創業支援等事業に取り組む創業支援等事業者のうち、その代表者となる法人であること
③特定創業支援事業または創業機運醸成事業、あるいはその2つを行っている。
④認定創業支援等事業計画の内容と整合していること
⑤補助事業を遂行するために必要な能力を有すること
また、以下の補助事業計画が以下の項目において一定の基準を満たせない場合、採択されない場合があります。
①事業内容の妥当性
②事業計画の実効性
③創業支援等事業の新規性・波及性
④政策的意義
3. 結果の通知と交付申請
結果は採択・不採択の如何に関わらず、申請者全員に対して通知されます。結果の通知まではおよそ1か月~2か月程度かかります。
交付申請を行った事業主はその後、事業費の額及び積算内訳が精査され、交付決定額を交付決定通知書によって通知されます。
参考:令和元年度「創業支援等事業者補助金」
参考:中小企業庁「創業支援等事業者補助金」
起業支援を受けたいシニアが相談を検討すべき機関や士業
①一般社団法人 日本シニア起業支援機構
②税理士/司法書士/行政書士
シニアが相談を検討すべき機関①一般社団法人 日本シニア起業支援機構
一般社団法人日本シニア起業支援機構は、その前身である日本工業技術振興協会(JTTAS)の解散に伴い、同じ志と方向性を共有する有志の協力を得て2015年10月に設立された組織です。
実務経験豊富な「産・学・官」のシニアが、それぞれ培った智慧と経験と人脈を最大限に活かして、「起業の早期成功発展」を事業ビジョンに設定し、社会に貢献することを目的としています。
同機構は、この目的達成のために、オープンイノベーションを標榜する各種研究会を開催し、人材・技術・営業の相互交流をボランティアまたはコンサルとして図ることにより、新産業を創出・発展させるコミュニティの機能を果たすべく活動しています。
同機構では、日本経済の着実な発展のためには、起業させることが第一義の目的ではなく、起業家を発展軌道に育成することが目的となるべきと考えています。
そのためには、ビジネスメンター(起業の成功を起業家本人以上の熱意をもって取り組む)が数万人規模で必要となります。
そこで、これまでの日本になかった米国のSCORE(*)活動に準じた日本版SCORE、すなわち「J-SCORE」の設立が急務と考えて設立されました。
(*)起業家支援を目的とした組織
同機構では支援を必要とする事業者へ様々なサポートを行っていますが、主なものについて記述します。
A・I・Rネクストポータル
人材斡旋事業部が責任を持って運営する、インターネットを活用したWebベースの人材斡旋マッチングサービスです。
専門家に支援を依頼したい企業等に、適切な知見・経験・技術を有する専門家・自営コンサルタントを成功報酬ベースで斡旋します。
未来農林事業開発研究会
第一次産業技術と第二次産業技術の利点・欠点を調査し、それぞれの良いところを融合することで、新しい農業 ・林農業 ・林業技術の創造と普及、新規ビジネス創出と事業化の実現を目指します。
総合リスクマネジメント研究会
バブル崩壊後25余年経済が低迷を続ける中、その原因究明と抜本策をリスクマネジメントの視点で考えます。
参考:一般社団法人「日本シニア起業支援機構」
参考:一般社団法人 日本シニア起業支援機構 目的と役割
シニアが相談を検討すべき機関②税理士/司法書士/行政書士
起業をする際は、士業に相談するのもオススメです。
ここでは、税理士・司法書士・行政書士の3つの士業について、相談を検討すべき内容などをご紹介します。
税理士
税務や会計関係に関する作業は非常に時間がかかる作業であり、また専門性も高いため、簿記の知識を持っていても1人で行うのは困難です。
このため、こういった税務に関する相談は税理士に相談するのが最適です。
当然ながら、税理士は税務や決算についての専門家であり、節税に関する策を講じてくれるため、過剰な税金の支払いを避けることができます。
さらに、税務相談や税務代理、また税務書類の作成は法律上、税理士にしかできない業務です。
司法書士
司法書士の特徴は、税理士や行政書士と比較して唯一、法人登記の代理申請ができる点です。
特に法人登記の際には難しい内容の書類を複数作成する必要があるため、専門家である司法書士に代理申請を依頼すれば大幅に時間を節約できます。
それに加えて、司法書士は会社の所在地や事業内容・役員などの変更など登記に関する手続きも行え、会社設立後も司法書士の力を活用できるので、パートナーとなる司法書士を見つけておくと効果的です。
行政書士
行政書士の特徴としては、行政組織に対する各種許認可などの行政手続きを行える点が挙げられます。
このため、公証役場や市町村の役所・役場といった行政機関へ提出する書類の作成を依頼することができます。
特に、ピンポイント領域として、飲食店営業など各種許認可が必要な場合には行政書士の力を借りる場面が増えることになるので、このような仕事を依頼できる懇意の行政書士とパイプを持っておくと非常に便利です。
詐欺には騙されないようご注意ください!
以上、シニアの方にオススメの起業支援制度や起業支援を行う機関についてご紹介してきました。
最後にシニアの方をターゲットにした、起業の詐欺について注意喚起をして締めたいと思います。
最近、シニアの方をターゲットにした悪質な助成金コンサルや起業コンサル、「稼ぎ方教えます」などの謳い文句で価値のない悪質な情報商材を売られるという被害が横行しているようです。
・絶対に儲かるからという謳い文句を使う
・「〇〇人限定・今回限り」と伝え、その場で入金を促す
・不安や共感を誘うエピソードトークをする
→例)老後2000万円必要といわれているが、今の生活に不安はありませんか?
など、これらの特徴がある場合騙そうとしてないか注意するようにしてください。
この章をご覧になった読者の皆様が、起業に関する詐欺まがいのビジネスに騙されないよう、WILLFU Lab編集部は祈っております。
ぜひこの記事で学んだ知識を生かし、詐欺に合わないよう気をつけてください。