個人で起業するには?経験者が教える個人起業のための完全マニュアル
WILLFU Labとは、延べ10,000人を超える学生起業志望者と会い、2,000人を超える学生の起業・ビジネス支援をしてきた、起業を学ぶための実践型スクールのWILLFUが運営する起業やビジネスに関するWebメディアです。
個人起業するには読むべき起業マニュアル
こんにちは。
WILLFU Lab編集部です。
副業の解禁や終身雇用制の崩壊、SNSで起業家の活動が身近になった影響から、起業を志す方が増えています。
そして、この記事にたどり着いた方は
・個人で起業するには何から始めれば良いかわからない
・個人で起業するには知っておくべき知識を知りたい
という方が多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、『個人起業の具体的な5ステップや必要な手続き』といった行動をするために必要な情報から、『個人起業に必要な知識や起業に役立つ便利ツール』など、個人起業に必ずしも必要ではないが知っておくといつか役に立つ情報をご紹介したいと思います。
なお本記事では、起業とは「事業を起こすこと」と定義。
株式会社や合同会社などの法人を設立することではないことを留意して読み進めていただけると幸いです。
学びだけでなく、実践に踏み出したい方は、以下のビジネススクールもどうぞ。
【社会人】働きながら始める実践型ビジネススクール
【大学生】学生が起業を学ぶビジネススクール
それでは、次の目次に沿って本書の内容を一緒に確認していきましょう。
目次
個人起業するにはこの4ステップ
個人起業するにはこの手続が必要
個人起業と法人起業のメリット・デメリット
個人起業するには準備すべきこと、必要なモノ
個人起業するには必要な知識
個人起業するには知っておきたいツール
個人起業するにはどれくらい資金が必要?業種別に紹介
個人起業するには知っておきたい資金調達方法
個人起業するには知っておくべき税金の知識
個人起業から法人設立をするのに適切なタイミングとは?
個人起業するには読んでおきたい本
個人起業する人は悪質な情報商材に騙されないで!
個人起業するにはこの4ステップ
個人起業するには以下の4つのステップで起業に踏み切るのがオススメです。
①達成したい目標と必要条件を考える
②目標を達成しうる、かつ必要条件を満たすアイデアを考える
③最小限のリソースでアイデアの需要・収益性を検証する
④検証結果を元にアイデアの改善を繰り返す
それでは、それぞれの内容についてご紹介します。
起業するためのステップ①達成したい目標と必要条件を考える
個人起業するにはまず、達成目標と必要条件を考えましょう。
目標とは例えば、「1年後に月30万円の手取りを目指す」「半年後に月100万円の売上」を目指すといったものです。
目標を設定する際、次の点を意識しましょう。
①期間を決める
また個人起業の目的がお金を稼ぎたいということでしたら、次の点も意識しましょう。
②手取りで考える
③お金を稼ぎたいそもそもの理由を考える
①を意識すべき理由は、具体的な事業計画やアクションプランを考えることができるからです。
期限がなければ、ダラダラしてしまう可能性があるので、必ず設定するようにしましょう。
必要条件とは、「自宅でできる」「初期投資がほとんどかからないサービスで起業する」「一般消費者向けのサービスで起業する」といったものです。
目標と必要条件を設定することで、次のステップである目標を達成しうる、かつ必要条件を満たすアイデアを考える段階に晋ことができます。
起業するためのステップ②目標を達成しうる、かつ必要条件を満たすアイデアを考える
次に設定した目標と必要条件を達成しうるアイデアを考えましょう。
ここでは、目標を「2年後に月利1000万円」、必要条件を「一般消費者向けのサービス」「投資は上限300万円」としましょう。
月利1000万円ということは、仮に利益率が30%とした場合、売上は3334万円以上必要、つまり年間売上4億円を達成する必要があると試算できます。
そして2年後に市場の1%を獲得することで目標を達成できると仮定すると、市場規模で400億円以上が必要とわかります。
ここで、一般消費者向けかつ市場規模で400億円以上の業種やサービスを調べアイデアを絞り込んでいき、最後に初期投資が300万円で始められるのかで、アイデアを絞り込んでいくことが可能です。
アイデアの出し方は人それぞれですが、目標と必要条件から絞り込んでいくのがWILLFU Labとしてはオススメです。
起業するためのステップ③アイデアの需要・収益性を最小限のリソースで検証する
3つめのステップは、アイデアの需要・収益性を最小限のリソースで検証することです。
仮にステップ②で出したアイデアが、美肌サプリだとしましょう。
起業資金が300万円ある場合、200万円で美肌サプリを開発&仕入れ、100万円で広告を運用することも可能です。
しかし、アイデアの需要や収益性を検証できていない段階で、起業資金を全て投資するのはリスクが高いです。
仮に失敗してしまっては次のチャレンジができませんよね。
そうならないために、50万円で美肌サプリの開発&仕入れ、50万円でFacebookやLINE広告の運用といった具合に、最小限のリソースでニーズと収益性を検証するようにしてください。
広告を運用してみて、「顧客獲得コストが単価を下回り利益が出た」「広告のクリエイティブを改善していけば、利益が出そう」と判断できたら、残る200万円で仕入れや広告の改善&拡大を行って良いでしょう。
逆に、「1個も売れなかった…」「広告を改善していっても利益が見込めない」と判断した場合、別のアイデアを残る200万円で検証するようにしましょう。
起業するためのステップ④検証した結果を元に改善を繰り返す
ステップ③でアイデアの需要や収益性を検証できたら、サービスの改善や広告のクリエイティブの改善などを地道に繰り返していきましょう。
サービスを利用してくれたユーザーからのヒヤリングによるサービスの改善や、広告の管理画面から数値を見ることでクリエイティブや文言の改善を行うことができます。
この地道な改善を積み重ねていくことで、サービスの質向上や顧客獲得単価の改善を見込むことができるのです。
また改善したつもりが、改悪となることがあります。
改悪は悪いことではありませんが、改悪で得た学びを蓄積できないことは悪いことだと考えています。
改善・改悪いづれの結果になったとしても、常に学び続け学びを蓄積していきましょう。
個人起業するにはこの手続が必要
個人事業主として起業する場合、「個人事業の開業・廃業等届出書(開業届)」を税務署に提出する必要があります。
開業届とは以下のようなものです。
なお、開業届を提出する際、下記の点に注意してください。
①事業開始から1カ月以内に提出する
②提出用と控え用の2枚を作成しておく
③屋号は決まっていなくても大丈夫
個人事業主として起業する場合、開業届を出すだけで起業が可能ですが、これは最低限必要な手続きです。
個人事業主として起業した場合、「青色申告承認申請書」などの書類を出すことで65万の控除対象になります。
つまり、青色申告承認申請書を提出することで、税金面での優遇措置が受けられるのです。
個人事業主として起業する場合、開業届と青色申告承認申請書は税務署に提出するようにしましょう。
ちなみに個人事業主として起業する場合にかかる費用はありません。
個人起業と法人起業のメリット・デメリット
株式会社や合同会社を設立し起業をした場合と比較すると、個人起業には次のメリット・デメリットが存在します。
【メリット】
①開業の手続きが簡単
②手続きに係る費用がかからない
【デメリット】
①社会的信用力が法人より落ちる
②収入次第で法人より支払う税金が高くなる
では、それぞれのメリット・デメリットについてご紹介します。
個人起業のメリット①開業の手続きが簡単
個人起業は法人と比較して、開業の手続きが簡単なのがメリットです。
先ほども紹介したように、開業届と青色申告承認申請書を税務署に提出すれば手続きは終了です。
一方、法人を設立するには次の4つの手続きが必要です。
①会社名や事業目的などの基本事項の決定
②定款と登記書類の作成
③公証人からの定款認証を受ける
④法務局に登記申請をする
また法人を設立する要件を調べる手間もあるので、自分でやろうとするとかなり時間がかかると思われます。
個人起業のメリット②開業に費用がかからない
個人事業主として起業する場合、費用がかからないのもメリットの一つです。
次の表は株式会社や合同会社を設立するのにかかる費用をまとめたものです。
【法人設立にかかる費用】
法人を設立するには、約11万円~約25万円必要なことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
このように開業するのに費用がかからないという点は、個人事業主として開業するメリットといえます。
個人起業のデメリット①社会的信用力が法人より落ちる
SNSで有名な個人といった場合を除き、個人事業主は法人より社会的信用力が落ちることがデメリットの一つです。
現在デザイン会社を立ち上げている人の話を参考に紹介します。
その方は当時、個人でデザインの受託をしており大企業から依頼があったのですが、法人を設立しておらず契約締結時に破談になったそうです。
※大企業で個人事業主とは取引しない、法人口座を持っていない人とは取引しないということは多々あります。
皆さんも、「〇〇会社が販売している商品」と「個人事業主の△△さんが販売している商品」と聞くと、前者の方がなんとなく安心するのではないでしょうか。
私の場合ですが、前者の方信頼できます。
このように個人事業主は法人と比較して社会的信用力が低いことがデメリットの一つと考えられます。
個人起業のデメリット②資金調達方法が限定される
個人事業主の場合、株主発行による資金調達ができないことはデメリットの一つです。
ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家から出資を受ける場合、株主を発行することで資金調達を行うことがほとんどなのですが、個人事業主だとこれができません。
また「法人にしか融資しない」と基準を設けている銀行などもあります。
起業をする場合に、資金調達を視野に入れている人は、個人事業主には資金調達方法が限定されるということを忘れないでください。
売上が大きい場合、税率面で個人事業主よりお得
→ 法人税は一定だが、個人事業主は所得が増えるほど徴収額が増える
個人起業するには必要な知識
WILLFU Labが考える、個人起業するには最低限知っておくべきスキルや知識は下記の2つです。
1. 「因数分解」し「数値化」し「分析する」力
2. PDCAサイクルの回し方
起業するには必要な知識・スキル①「因数分解」し「数値化」し「分析する」力
ここでいう因数分解とは、売上や利益などの最重要指標から、構成要素を紐解いていくことを指します。
具体的にいうと下記の通りです。
1. 売上=単価 × 総販売数量
2. 総販売数量= チャネルAの販売量+チャネルBの販売量+チャネルCの販売量
3.チャネル毎の販売量=広告のクリック数×成約率
4.広告のクリック数=広告の表示回数×クリック率
売上を考えてみても、上記のように因数分解していくことができます。
因数分解したあとは、広告の表示回数やクリック率などのデータを、広告媒体の管理画面などから引用し数値として把握するようにしましょう。
そうすることで、数値による分析が可能になり、売上を上げるための改善ポイントの把握や売上が減少した際の原因を分析することが可能です。
また数値化して分析することは、施策の反応を検証したり、データ分析をしたりするために必要な知識・スキルです。
施策を考える際や施策の効果的な検証をするには、データという事実を見て意思決定をする機会を多くするのが良いでしょう。
数値化することで、例えばAという施策はどこの数値の改善に有効なのかを判断したり、どこの数値が著しく低いのかといった課題を発見することもできます。
起業するには必要な知識・スキル②PDCAサイクルの回し方
PDCAとは、
・Plant(プラン:計画)
・Do(ドゥー:実行)
・Check(チェック:振り返り)
・Action(アクション:改善)
の略称。
簡単にいうと、Action(改善)が完了したら、最初のPlan(計画)に戻り螺旋を描くように数値を向上させていくことです。
そして、PDCAサイクルを回す方法は下記の通りです。
①P:成果基準の明確化
②P:成果を達成するための施策の仮説出し
③P:アウトプットした施策に優先順位をつける
④D:施策を同時実行
⑤C:目標未達
⑥A:改善
⑦②~⑥を繰り返す
⑧目標達成
PDCAという言葉をよく耳にしますが、一発で成功することは稀ということを忘れないでください。
失敗したからと挫折する必要はありません。
失敗した施策、成功した施策をから学びを蓄積し、施策の改善や全く別の施策を行うことで目標は達成されるものです。
PDCAを回し成果をあげるまでに、「失敗」というステップがあることをしっかり覚えておくようにしましょう。
個人起業するには知っておきたいツール
個人起業をするにはやるべきことが多く、時間がどんどん減っていくものです。
そこで今回、次の3つの場面で役に立つ便利ツールを紹介します。
・HPを制作する
・決済付きのネットショップを開設する
・案件を獲得する
紹介したツールをうまく活用し、限りある時間を有効に使うようにしてください。
HPを制作する際に役立つ便利サービス
HPを制作する際に役立つ便利サービスは
の2つです。
エンジニアスキルなしにHPを簡単に製作できるのがポイントです。
自分でゼロからオリジナルのHPをデザインしたいという方には、STUDIO。
AIを活用し簡単にHP作成したいをいう方にはwixがオススメです。
決済付きのネットショップを開設する際の便利サービス
決済付きのネットショップを開設する際の便利サービスは、
の2つです。
BASEは、誰でも簡単にネットショップが作成できるサービス。
決済機能や多数のデザインテーマが用意されています。
MOSHはスマホで簡単にネットサービスを作成できるサービス。
案件を獲得する際の便利サービス
案件を獲得する際の便利サービスは、
の2つです。
① クラウドワークス
クラウドワークスとは、事業主とワーカーをマッチングさせるためのプラットフォーム。システム開発やライティング業務、デザイン業務など様々な案件が掲載されています。筆者も最初はクラウドワークスと次に紹介するランサーズの両方で案件を獲得していました。
② ランサーズ
ランサーズも、クラウドワークスと同様に事業主とワーカーをマッチングさせるためのプラットフォーム。クラウドワークスと併用して利用するのがオススメです。
個人起業するには知っておきたい資金調達方法
起業に必要な資金を調達する方法としては、下記の4つが考えられます。
①銀行や日本政策金融公庫からの融資
②ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資
③クラウドファンディング
④補助金
それでは、それぞれの資金調達方法の概要と注意点についてご紹介します。
起業資金の調達方法①銀行や日本政策金融公庫からの融資
銀行などの民間金融機関、日本政策金融公庫や自治体などの公的機関から融資を受けることができます。
民間金融機関の場合、担保や保証人を必要とする場合が多いですが、融資の最大金額は公的機関より多いです。
一方、公的機関の場合、最大融資金額は民間金融機関に見劣りしますが、無担保・無保証人で利用できる制度もありオススメです。
・日本政策金融公庫 新創業融資制度
新たに事業を始める人/事業を開始して間もない人が対象。
1500万円を上限に、無担保・無保証人で利用できる制度
・地方自治体の制度金融 例)東京都制度融資
東京信用保証協会の信用保証を得た起業家/企業に対する融資制度
そして融資のメリット、デメリットは以下の通りです。
【メリット】
1.1 経営権を一部譲渡する必要がない
【デメリット】
1.1 返済義務がある
1.2 金利が発生する
1.3 資金の使い道が限られる
起業資金の調達方法②ベンチャーキャピタルやエンジェル投資家からの出資
ベンチャーキャピタルとは、簡単にいうとベンチャー企業に投資する投資会社のこと。
エンジェル投資家とは、創業間もないベンチャー企業に対し投資をする個人のことです。
出資とは、事業の成長性に共感してもらい、文字通りお金を出してもらうことで、以下のメリット・デメリットがあります。
【メリット】
1.1金利負担がない
1.2返済義務がない
1.3担保が必要ない
1.4出資者からのアドバイスなど、援助が受けられる
【デメリット】
1.1経営権の一部譲渡が必要
1.2柔軟な経営が困難が困難になる可能性も
「金利負担がない」、「出資者からのサポートが受けられる」というのがメリットです。
しかし、経営権を一部譲渡するため、出資者の反対により事業の方向転換が困難になるなどのリスクも考えられます。
起業資金の調達方法③クラウドファンディング
起業を学ぶための実践型スクールのWILLFUの受講生や卒業生の中にも、クラウドファンディングによって資金調達に成功している方が多くいます。
クラウドファンディングとは、群衆(crowd)と資金調達(funding)を組み合わせた造語のこと。
インターネットを通じて、自分の事業や夢を発信し、発信された内容に魅力を感じた人や活動を応援したいと思ってくれた人から資金を募る仕組みです。
代表的なクラウドファンディングサービスに次の2つがあります。
そして、クラウドファンディングによる資金調達のメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
1.1金利負担がない
1.2返済義務がない
1.3担保が必要ない
【デメリット】
1.1 目標金額の資金調達ができない可能性がある
1.2 プラットフォームへ手数料を支払う必要がある
起業資金の調達方法④補助金
補助金とは、原則返済義務のない支援制度のことで、政府や地方自治体が経済活性化などの国策の達成を目的としています。
補助金・助成金による資金調達、によるメリット・デメリットは以下の通りです。
【メリット】
1.1 返済が不要
【デメリット】
1.1 公募期間の定めがある。
1.2 給付の倍率が高い
補助金も出資と同様に、返済の義務がありません。
しかし出資や融資とは異なり、公募期間が決まっているためタイミングがずれてしまえば、補助金の申請ができないというデメリットが存在します。
参考記事:「学生が『資金調達』に成功できた、5つのポイントとは?」 ウィルフ卒業生起業家による特別イベント 書き起こし
参考:先輩起業家の資金調達方法1位:金融機関からの借入
日本政策金融公庫の「2019年度新規開業実態調査」のデータによると、先輩起業家は下記の方法で起業に必要な資金を調達していました。
①金融機関からの借入:平均847万円(平均調達額に占める割合は68.4%)
②自己資金:平均262万円(同21.2%)
③親類・知人からの借入:平均92万円(同7.4%)
④その他:2.9%
このデータによると、金融機関からの借入と自己資金の活用という方法で、資金調達をしていることがわかります。
ご自身が資金調達をするときのご参考にしていただけると幸いです。
個人起業から法人設立をするのに適切なタイミングとは?
個人事業主から法人を設立し起業することを、「法人成り」といいます。
WILLFU Labが考える法人成りをすべきタイミングは以下の2つです。
①金融機関などからの借入が必要になった
→個人事業主より、法人の方が社会的信用力が高いので、借入の成功確率が上がる。
②手取り収入が伸びたタイミング
→法人税は利益額にかかわらず、原則一定税率なのです。しかし、個人事業主に適応される所得税は所得が増えるほど税率が高くなる累進税率で課税されるので、総所得金額が330万円以上になれば法人設立することで税金面で有利に働きます。
また筆者の場合、モチベーションを高めるためにも法人設立は一つの選択肢だと考えます。
株式会社を登記することで、『自分も会社の代表か。より一層頑張らないと!』のようにモチベーションが高くなり、生産性の向上などが見込める場合、法人成りは一つの選択肢といえます。
個人起業するには知っておくべき税金の知識
個人事業主として起業した場合、次の4つの税金を納める必要があります。
①所得税
②消費税
③個人事業税
④住民税
特にこの中でも馴染みのない、所得税と個人事業税について概要と計算方法についてご紹介します。
個人起業が納めるべき税金①所得税
所得税とは、1月1日から12月31日までの1年間で得た所得(売上から経費を引いた、手取り収入)に対して課される税金です。
所得税には、雑所得や事業所得、譲渡所得など全10種類存在します。
【所得税の種類】
参考:国税庁「所得の種類と課税方法」
また所得税の税率も決まっています。
次の表をご覧ください
では所得税の種類と税率を確認したところで、所得税の計算式をご紹介します。
所得税として納めるべき金額は、次の計算式で求めることが可能です。
【所得税額を求める計算式】
所得税額=(所得-所得控除額)×税率-控除額
所得税額は、先ほど紹介した10種類の所得を足し合わせ、医療費や社会保険料などの所得控除分を引く。
そこに税率を掛け、控除額を引くことで求めることができます。
なお所得税額を計算したら、税務署に確定申告をして納める必要があるので必ず行うようにしてください。
個人起業が納めるべき税金②個人事業税
個人事業勢とは地方勢等で定められた事業に対してかかる税金です。
定められた業種は約70あり、ほとんどの方が該当すると考えられます。
逆にいえば、この70種に該当しなければ、個人事業税は支払う必要がないということです。
東京都主税局に法定業種と税率について紹介があるので、次の表を確認していきましょう。
この表を見ても分かる通り、第1種事業に該当する物品販売や料理店業の税率は5%。
第2種事業に該当する畜産業、水産業、薪炭製造業の税率は4%、第3種事業に該当する医業や美容業、デザイン業の税率は3%か5%です。
個人起業する前に、自分の事業が1~3種事業のどれに該当するのか確認するようにしてください。
個人起業するには読んでおきたい本
個人起業するには、次に紹介する「起業の化学」を読むのは良いかもしれません。
Amazonからの写真
起業の科学は田所 雅之氏が執筆した書籍で、起業のガイドラインとなる一冊です。
この本では、抽象的な情報ではなくすぐに実践に移行できる、フレームワークやツールも紹介しています。
~~WILLFU Labのおすすめポイント~~
抽象的な情報や、楽して稼げる!といったノウハウ本ではなく、起業するためのステップが下記の5つの章に分けて紹介されています。
第1章 IDEA VERIFICATION(アイデアの検証)
第2章 CUSTOMER PROBLEM FIT(課題の質を上げる)
第3章 PROBLEM SOLUTION FIT(ソリューションの検証)
第4章 PRODUCT MARKET FIT(人が欲しがるものを作る)
第5章 TRANSITION TO SCALE(スケールするための変革)
初めて聞く単語があるかもしれませんが、具体例やグラフ、図解を用いて誰にでも分かりやすくなっているのがポイントです。
【田所 雅之氏のプロフィール】
1978年生まれ。大学を卒業後、外資系のコンサルティングファームに入社し、経営戦略コンサルティングなどに従事。独立後は、日本で企業向け研修会社と経営コンサルティング会社、エドテック(教育技術)のスタートアップの3社、米国でECプラットフォームのスタートアップを起業し、シリコンバレーで活動した。 日本に帰国後、米国シリコンバレーのベンチャーキャピタルのベンチャーパートナーを務めた。また欧州最大級のスタートアップイベントのアジア版、Pioneers Asiaなどで、スライド資料やプレゼンなどを基に世界各地のスタートアップ約1500社の評価を行ってきた。 日本とシリコンバレーのスタートアップ数社の戦略アドバイザーやボードメンバーを務めながら、事業創造会社ブルー・マーリン・パートナーズ(東京・港)のCSO(最高戦略責任者)、ウェブマーケティング会社ベーシック(東京・千代田)のCSOも務める。2017年、新たにスタートアップの支援会社も設立した。 その経験を生かして作成したスライド集『スタートアップサイエンス2017』は全世界で約5万回シェアという大きな反響を呼んだ。
著者について |Amazon公式より引用
参考記事:起業するには読むべき本11冊。基礎知識や経営を学べる本の魅力を徹底解説
個人起業する人は悪質な情報商材に騙されないで!
いかがでしたでしょうか。
この記事では、『個人起業の具体的な5ステップや必要な手続き』といった行動をするために必要な情報から、『個人起業に必要な知識や起業に役立つ便利ツール』など、個人起業に必ずしも必要ではないが知っておくといつか役に立つ情報をご紹介しました。
最後に悪質な情報商材について注意喚起を促し、締めたいと思います。
個人起業をしている方で、悪質な情報商材に騙されて高額商品を購入してしまうという例を度々耳にします。
騙されたと感じた人に話を聞くと、成果が出ない不安に襲われ、誰かに頼りたくなってしまい、悪質な情報商材を購入してしまったそうです。
起業は全責任が自分にあり、様々なストレスや不安に襲われます。
そんな時に、
・楽に稼げる
・誰でも成功できる方法を教えます
といった甘い言葉や不安を紛らわす言葉に惑わされてはいけません。
不安やプレッシャーを打ち消すには成果を出すしかありません。
先輩起業家も数えきれない、不安やプレッシャ、挫折を経験して今の成功を掴み取っています。
皆さんも不安やプレッシャー、周囲の雑音に惑わされず、成果を出すために日々愚直に行動をしてください。
WILLFU Labは読者の皆様の起業の成功を祈っています。
WILLFU Labには個人起業ではなく、会社を設立し起業を志している方に向けた記事もありますので、気になる方は以下の記事もご参考にしてください。